2024年11月の記事

こんにちは東京北メンテナンスセンターです。

今回ご紹介する修理は、鋲(びょう)打ち仕様の食堂椅子です。

 

修理依頼品は、当社の高級ブランド「ドマーニ」クイーンズライフシリーズで、18世紀末から

19世紀にかけ欧米で流行したシェラトン様式の特徴を忠実に再現した製品です。

 

木部の装飾、曲面美に富んだシート面、雰囲気を醸し出す鋲などを使った逸品ですが、

張地は破れクッションも劣化し、掛け心地が悪化した為に張替修理を頂く事となりました。 

 

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①修理依頼品です。

座って左側面の張地が破れ、中身のクッション材が露出してしまっています。 

 

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②作業は飾りから外していきます。

③次に張地に打ち込んであるタッカー針を除去していきます。

④張地を剥がしウレタンクッションが露わとなりました。変色しボロボロな状態です。

 

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⑤ウレタンクッション下には、麻シートに包れた伝統的な「あおりバネ」(渦巻型のバネ)が配置されています。

今回バネ自体に破損、変形などは無い為交換せず継続使用します。

⑥交換するシート内部のパーツ群です。「あおりバネ」以外はすべて交換します。 

 

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⑦傷んだウレタン、麻シート、ゴム材などすべて除去、清掃した後新しい麻シートを張付け、

座の土台となるゴムパーツを装着します。  

 

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⑧中央に配置された「あおりバネ」とゴムパーツの隙間にウレタン材をはめ込みます。

上部には、硬さが異なる2層のウレタンシートを載せシート形状に合わせて接着します。 

 

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⑨シート面に綺麗な丸みが出るようにテトロン綿を掛けます。次に新しい張地を張っていきます。

張地は植物の葉を幾何学的にデザインしたもので、艶やかで光沢があるレーヨンを使用しており、

上品で落ち着いた印象に変わりました。 

 

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➉新しい飾り鋲を取り付けて、木部の傷を補修して完成です。  

 

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今回の修理は伝統的な造り込みがなされた製品ですので、交換するパーツの点数も多く

修理に時間を要するものでしたが、満足頂ける仕上がりになったと思います。これからも

大切にご愛用頂けると幸いです。

 

■今回の修理代金は、一脚¥93,700(税別)※当時の価格です

 

 

 

 

  

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