こんにちは東京北メンテナンスセンターです。

今回ご紹介する修理は、鋲(びょう)打ち仕様の食堂椅子です。

 

修理依頼品は、当社の高級ブランド「ドマーニ」クイーンズライフシリーズで、18世紀末から

19世紀にかけ欧米で流行したシェラトン様式の特徴を忠実に再現した製品です。

 

木部の装飾、曲面美に富んだシート面、雰囲気を醸し出す鋲などを使った逸品ですが、

張地は破れクッションも劣化し、掛け心地が悪化した為に張替修理を頂く事となりました。 

 

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①修理依頼品です。

座って左側面の張地が破れ、中身のクッション材が露出してしまっています。 

 

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②作業は飾りから外していきます。

③次に張地に打ち込んであるタッカー針を除去していきます。

④張地を剥がしウレタンクッションが露わとなりました。変色しボロボロな状態です。

 

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⑤ウレタンクッション下には、麻シートに包れた伝統的な「あおりバネ」(渦巻型のバネ)が配置されています。

今回バネ自体に破損、変形などは無い為交換せず継続使用します。

⑥交換するシート内部のパーツ群です。「あおりバネ」以外はすべて交換します。 

 

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⑦傷んだウレタン、麻シート、ゴム材などすべて除去、清掃した後新しい麻シートを張付け、

座の土台となるゴムパーツを装着します。  

 

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⑧中央に配置された「あおりバネ」とゴムパーツの隙間にウレタン材をはめ込みます。

上部には、硬さが異なる2層のウレタンシートを載せシート形状に合わせて接着します。 

 

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⑨シート面に綺麗な丸みが出るようにテトロン綿を掛けます。次に新しい張地を張っていきます。

張地は植物の葉を幾何学的にデザインしたもので、艶やかで光沢があるレーヨンを使用しており、

上品で落ち着いた印象に変わりました。 

 

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➉新しい飾り鋲を取り付けて、木部の傷を補修して完成です。  

 

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今回の修理は伝統的な造り込みがなされた製品ですので、交換するパーツの点数も多く

修理に時間を要するものでしたが、満足頂ける仕上がりになったと思います。これからも

大切にご愛用頂けると幸いです。

 

■今回の修理代金は、一脚¥93,700(税別)※当時の価格です

 

 

 

 

  

   

こんにちは中部メンテナンス課です。

   

今回ご紹介する修理は、サイドボード天板部分の再塗装修理です。

   

   

   

入荷された現物を確認しますと、日焼けによるものと思われる塗膜剥離が起きており白濁した状態と

なっておりました。

修理は、白濁して傷んだ表面を削り取り、新たに塗装を行うのですが天板材料は「オバンコール」の

突板仕様の為、削り作業の際に突板が剥けて木目柄が消えてしまう恐れが有ります。

   

その点のリスクが伴う事をお客様に事前にお伝えしたうえで、ご了承を頂いての修理となりました。

   

   

「オバンコール」について

           樹種名:オバンコール   2024100017.png

産地 : 西アフリカのコンゴ、コートジボアール、ガーナなどの熱帯雨林地帯に生息

特性 : 木目が美しく、その木目を生かし 高級家具、内装材、弦楽器などに使用されています。

   

2024100001.jpg     ②2024100002.jpg

①入荷されてきたサイドボード。 弊社を代表する『コロニアル』シリーズの商品で1985年に発売され

 現在も購入が出来る人気商品です(品番HC5307NK)。

②白濁した天板の様子。日焼けが原因なのか白く濁り、コロニアルシリーズ独特の艶やかな素材感が

 無くなってしまっています。   

   

今回は天板のみの再塗装修理のご依頼です。 さっそく修理作業に入ります。

   

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③先ずは、天板以外の部分を新聞紙を利用して養生します。

 本体に塗料が付着しないよう、マスキングテープでしっかりと貼り付けます。

④今回塗膜を剥き取る工具として、空圧式アクションサンダーを使用します。研磨力が強く、手にすっぽり

 納まるので作業性がよく、今回のような作業には適した工具ですね。

   

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⑤ アクションサンダーは突板の状態を確認しながら、慎重に木地の状態まで剥き取っていきます。

⑥ 天板周りの飾り木部分はオリジナルの形状を崩さないよう、手作業で丁寧に剥き取っていきます。

   

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⑦ 塗膜の剝き取り作業が完了しました。

 尚、木地はきれいに研磨し剝き取り痕が出ないように調整しています。

 今回は材料の状態が良かった為、突板の剥き取り量はごくわずかで済みました。

   

次は塗装工程です。 塗装の工程は木地着色・下塗り・中塗り・上塗り の順に行っていきます。

2024100008.jpg     ⑨2024100009.jpg

⑧木地着色工程実施後の様子。 この作業を施すことで、木材の導管や小さな穴を埋め、きれいな平滑面を作る事で木材着色の仕上げの際に効果が出ます。

⑨続いて、下塗りして空研ぎ、さらに中塗りして空研ぎという工程を行い、のちに塗布する上塗り剤との密着力を強め、塗膜が剝がれないよう塗装の機能性を高めます。

   

2024100010.jpg     ⑪2024100011.jpg

➉ #400番のペーパーを使い研磨していきます。

⑪ 空研ぎ後の様子。空研ぎ時は塗肌に気を付けて空研ぎを行います。

   

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⑫仕上げの上塗りを塗布した直後の様子。 ムラなく綺麗に塗布されています。 

⑬上塗りが乾燥しました。コロニアルシリーズ独特のツヤが復元できました。白濁して見えなかった

  木目柄も見事に復活しました。

   

before 2024100016.jpg 

      2024100019.png

after  2024100015.png

   

   

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今回お預かりしたサイドボードは修理箇所の天板以外は大きな傷も無く天板を再塗装することでとてもきれいになりました。

突板のムキ取り再塗装は非常に難しく製品によっては修理が出来ない事も有りますのでご了承ください。

   

今回の修理代金は ¥73,000(税別)

当時の価格です

こんにちは、横浜メンテナンスセンターです。

今回ご紹介する修理は、サイドボードの地板割れ修理です。

お客様より、ボードの扉を開けた際に地板が割れている事に気が付き修理を依頼する事にしたとの事。

なお、破損個所が部分的な事もあり、預かっての修理ではなく現地訪問して修理する事に致しました。

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修理依頼品は 品番:HS6147MW サイドボードで、1988年~1998年まで製造販売されていました。

中央部はガラス扉仕様で、内部に間接照明を配して装飾品が映えるよう仕上げられています。

左右部は収納を主として使えるよう、内部が見えない板扉にして実用性も兼ね備えたモデルでした。

 

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破損個所は、向かって左側の地板という箇所です。

①側板側に何某かの負荷がかかり、地板が横方向に裂けてしまっています。

②本来見える事が無い、接合部材のダボが見える位の隙間が出来てしまっています。

 

作業は接着剤を用いて、時間を掛け固着するまで圧締めを行います。 その為、お客様に了解を得て

一晩圧締め状態にして、翌日に工具類の撤収、微調整等行う事になりました。

HS6157 _1-3.jpg

③割れた部分に接着剤を流し込み、クランプで挟み込み圧締めします。

④⑤隙間ができた側板と地板を接着させるため、ラチェットバンドで引き込み固定します。

1日目の作業はここまで。 

翌日、接着確認と工具機材の撤去、修理箇所の微調整を終えて完了しました。

HS6157 _1-4.jpg

HS6157 _1-5.jpg

HS6157 _1-6 職人の一言.jpg

一部の破損で廃棄するにはもったいないくらい他には目立った傷もなく状態は良いものでした。

最近、あまり見かけないサイドボードですが、これからも永くお使いいただければと思い、

なるべく傷跡が残らないよう修理させていただきました。

  

今回の修理代金は、

出張費¥6,000+作業代¥10,000=合計¥16,000(税別)

※当時の価格です

今回のご紹介は、シートが置きクッション仕様になっているシェーズロングチェア(品番:UU4039)の

インナークッション部のクリーニングメンテナンスです。

 

カバーリング仕様のシートなので、カバー自体は外してクリーニング屋へ出されたそうですが、

内部のクッション本体は対処が出来ず、今回メンテナンス課でクリーニングを実施する事となりました。

 

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↑修理工房に入荷されてきたインナークッション。 今回はクッションのみで入荷されてきました。 

 椅子の姿は右画像のようになります。 

 

1-3 クッションしみ.jpg 1-3 クッションしみ-2.jpg 

インナークッションのシミ汚れの状態。かなり大きな範囲のシミ汚れとなっており、初見の印象では

クリーニングを施しても痕は残る可能性が高いと感じておりました。 

 

1-4 スチームクリーナー.jpg 1-4 リンスクリーナー.jpg 

クリーニングには、2台のクリーナー機器を使い対処していきます。

①スチームクリーナー :                                                                                                 スチームをあてて汚れを分解して浮かせていく機械。 高温の蒸気ゆえに殺菌の効果も期待できます。

②リンスクリーナー  :                                            

洗浄後に濯ぎをして汚水を取る機械です。水を噴射して汚れを除去しながら、バキューム機能で汚水を

回収していきます。 

 

1-5 泡立て.jpg 1-5 スチーム実施.jpg 

③作業として、まず汚れを浮かす為に洗浄液を噴霧し、布地を傷めない柔らかい毛先のブラシを使い

 泡立てながら洗浄液を浸透させていきます。 

④スチームクリーナーで汚れを浮かせて除去しやすいようにしていきます。スチームは高温なので、

 ダニの除去や殺菌にも効果が有ります。 

 

1-6 リンスクリーナー バキューム.jpg 1-6 汚水.jpg 

⑤リンスクリーナーを使い、水を噴射して洗浄しながら汚水をバキュームで吸い取っていきます。 

⑥吸い取った汚水を容器に移し替えてみたところ、かなり濁っています。それだけ汚れが取れたという

 事になりますね。 

 

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1-7 ビフォーアフター 2.jpg 

作業終了後、1日乾燥させます。 乾燥後汚れが浮き出る事もなく無事完了しました。 

 

職人の一言.jpgのサムネイル画像 

インナークッションに付いたシミ汚れがきれいに除去できました。

クリーニングメンテナンスはリンスクリーナーでクッションの表面に留まらず内部まで洗浄が出来るほか、

高温のスチームを使う事で殺菌、ダニの駆除が出来るのも大きなメリットです。  

特に6月~9月の高温多湿な時期はダニが大量に繫殖しやすいので、気になる方はぜひご検討ください。 

 

修理費用

技術料金 シート、モタレ置きクッション一式 ¥12,000(税別) 

配送経費 ※お客様持ち込みの為発生しません

合計   ¥12,000(税別) ※当時の価格

こんにちは。

今回ご紹介する修理は引越業者様からの依頼で、移送中に長椅子のアーム部分やモタレの

先端などに打ち傷がついてしまった為、修理の要請が入ったものです。

発生箇所は5カ所におよび、その状態もさまざまなものとなっており、サービススタッフの技量が

求められる修理となります。

 

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↑修理工房に入荷されてきた長椅子(品番W15612K367)。 

  置きクッション仕様なので、クッションを外した状態で入荷されてきました。  

  本来の姿は右画像のようになります。

 

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キズ5カ所中、もっとも目立つ箇所についた木肘の先端部分の補修から着手します。

キズは木の一部が欠損しており、形状を復元させる為充填剤として瞬間接着剤を塗布します。 

 

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①スプレー式のプライマー(接着剤の硬化促進剤)を塗布して瞬間的に硬化させます。

②硬化後、目立てヤスリで丁寧に研磨しながら元の形状に近づけていきます。 

 

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③仕上げにスチールウールで磨き補色前の処置を施します。

④形状の復元とキズ周辺の磨き処置が完了したので、補色の作業に移ります。 

 

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⑤補色は面相筆を使用します。色付け作業はなかなか難しいものがあり、仕上がりに大きく影響してくる

 重要な作業です。色の濃淡や木独特の柄など、不自然さが出ないよう気を付けながら補色していきます。

⑥仕上げに、ツヤ合わせと塗膜形成の目的でエアゾール式のフラットスプレーを吹き付け、作業は完了です。 

 

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木肘の先端部はいちばん目立つ部分ですが、きれいに修復できました。

他の4か所のキズも以下のように修復いたしました。 

 

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モタレトップの打ちキズ  

 

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前脚下の角 木部欠け   

 

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モタレトップ 木部欠け 

 

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モタレトップ後方 打ちキズ  

 

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引っ越し業者様の移送中に起きたキズの補修依頼はたまにありますが、カリモク製品は

厳選した素材、しっかりとした作り込みなので大方の修理は可能です。修理でお困りの際は

お気軽にご相談ください。 

 

修理費用

技術料金 キズ1か所 \5,500×5カ所  ¥27,500 

配送経費 ※引っ越し業者様持ち込みの為発生しません

合計        ¥27,500(税別) ※金額は24年5月現在のもの

 

 

 

こんにちは、関東メンテナンス課です。

今回は素上げ調のオイル仕上げ革を使ったソファー(品番:ZSA153)、革メンテナンスのご紹介です。 

 

修理依頼品は老人ホームで使用されているソファーで、オイル仕上げ革に起きてしまう事がある

色褪せやツヤが無くなる、手触り感がざらつくようになってきたという状態です。

 

主な原因として挙げられるのが乾燥です。 人間の皮膚も乾燥しすぎると肌荒れやひび割れといった

肌トラブルとなってしまいますが、革製品の革も乾燥しすぎるとおなじような現象が起きます。 

 

改善策として有効なのは、人間といっしょで「保湿」です。 今回はオイル革専用のオイルを使い、

保湿を改善させるのと合わせ、皮革製造業者様の協力をいただき一部汚れの除去に挑みました。

 

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上の画像が今回の修理依頼品です。

画像では分かりづらいですが、表面はパサパサでかなりの乾燥肌となっっている状態。

色もかなり褪せてしまっており、ツヤも無くなってしまっています。 

 

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まず行う作業として、オイル仕上げ革に施してある防水加工を除去していきます。

皮革製造業者様のレクチャーを受けながら、汚れシミの境をぼかすイメージで、工業用アルコール

(約30~40%の水割りで)を軽くたたき込みながら色が変わるまで濡らしていきます。 

 

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アルコールによって防水加工が除去された後、専用のオイルを塗り込んでいきます。

オイルが革に染み込み濡れ色になる事で、局部的な汚れが目立たなくなり、全体的にアンティークな

仕上げに見えて良い感じになってきました。

オイルの染み込みが悪い箇所は、再度アルコール水で拭き取ったのちオイルを塗り込んで乾燥させる

事を2~3回程行う事で改善していきます。 

 

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作業実施後数日乾燥の為の時間を設けます。

今回の作業で防水加工は無くなってしまいましたが、ご覧のように品質の良い独特な革の艶やかさ、

アンティーク調のしっとりとした雰囲気に仕上がりました。 

 

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法人営業担当者の熱い思いと事前段取りのおかげで、困難な作業でしたが対処する事が出来ました。

今回のメンテナンス作業で防水効果は無くなってしまいましたが、お手入れする程に味わい深くなる

革本来の良さが引き出せました。施設にご入居のお客様には、ぜひお座り頂きご体感頂けると幸いです。 

 

今回の修理代金は、

作業工賃  長椅子 1脚 ¥30,000(税別)※価格は24年4月現在のもの 

こんにちは。カリモク家具メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理品は、かなり古い年代のもので購入時期が不明との事でした。

調べてみると当社に現存する一番古いカタログデータ(1970年発行)に掲載されていたのを見つけ、

少なくとも54年前には販売されていた「カラースツール」という商品です。

 

修理内容はシート部の張替という事でしたが、脱着式シートの裏面に樹脂製の縁取りパーツが付いて

おり、破損がひどい場合は代替素材を用いて対処しなければならないという事でした。どのようなものか

分からない事もあり、商品が入荷されてから対処を検討する事にしました。  

 

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【左:当時のカタログ掲載ページ 右:入荷されてきた修理依頼品】 

 

カタログで確認したところシート生地はオリジナルで、当時の姿形をそのまま保持していました。

商品名称は「背付椅子」(品番S-15TH)というもので、当時の販売価格は¥5,000でした。

この商品は他に背もたれ無しの椅子も有り、その商品はシートを外して別売の丸型天板に乗せ換えて、

画像のようにセンターテーブルとして使用する事もできました。 

 

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シートは椅子本体に対して乗せるだけの形態となっており、その下は物が収納できるようになっています。

シート裏に検討課題となっていた樹脂製の縁取りが配置されています。  

 

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樹脂材は若干汚れや変形など有りますが、再利用可能と判断して丁寧に外していきます。 

 

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表張材も綺麗に剥がせました。木製の座板に割れは無く補強は不要なようです。

ウレタンクッションはそれぞれ硬さが異なる、グレー色のチップウレタン、ベージュ色のスラブウレタンの

二層構造にして座り心地の改善にも配慮していきます。  

 

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ウレタンクッションを木製座板に綺麗に接着する事が出来ました。検討課題となっていました座裏の

樹脂パーツも綺麗に装着でき、椅子本体に支障なく乗せ置く事ができました。尚、裏面にはグレー色の

不織布を張り、見た目も配慮しておきました。 

 

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今回指定された張材は人工スエード「ディナミカ」。生地の素材感が椅子のデザインにマッチして

50年以上昔の製品とは思えないほど、違和感なく仕上がりました。

 

■今回の修理代金: 

シート張替工賃、張替材料費含め ¥15,200 (税別)※価格は24年2月現在のもの

 

職人の一言.jpgのサムネイル画像職人の一言.jpg 

今回修理した椅子は、1970年のカタログに「従来の家具のイメージをカリモクが破りました。

新しい時代の若い世代に問い掛けた、新しい家具です」と謳ってありました。

この年は、「人類の進歩と調和」をテーマに国家プロジェクトとして大阪で万博が開催されたそうで、

国内の世相もかなり激しく変化し活発な活動があった時代だと思います。そうした背景が感じられる

意欲的な製品の修理に携われた事はすごく楽しく有意義な仕事でした。ありがとうございました!

こんにちは。

当社のロングセラー「コロニアルシリーズ」が今年発売50周年を迎えました。 

カリモクで一番長く販売されている製品という事もあり、ご愛用されているお客様は数多く

いらっしゃいます。 それに伴い修理を依頼される事の多い製品でもあります。

 

今回は前回に続きコロニアルシリーズ商品の修理をご紹介します。

内容は食堂テーブルの天板再塗装修理です。  

                     

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修理依頼品は、品番:DC4001JK 天板は円形仕様の食堂テーブルです。 

  

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サイズは120cm×120cmで、約20年ほど使用されているものですが、経年劣化により表面のツヤが

無くなり、小傷や汚れでかなり痛々しい状態になってしまっています。

 

 

作業は洗剤やシンナーなどで表面の汚れを除去した後、サンダー工具を使い塗膜を剥がして

いきますが、この製品は突板天板の為剥がし作業は慎重かつ丁寧に行わなければなりません。 

  

 

【突板天板を慎重に剥がす理由】 

1-7-1.jpgのサムネイル画像 1-7-2.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像 

天板は突板(つきいた)仕様と無垢(むく)仕様の2種類が有り、突板は天然木を0.3~0.6ミリほどに

薄くスライスして、厚みがある合板や繊維板などの表面に圧着したものです。そのため、無垢材と違い

剥がし過ぎると木目柄が無くなる恐れがあるからです。 

 

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天板のきわは削れやすいので、慎重にサンダーで剥がしてきます。

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既存の塗膜を綺麗に除去した後、木地着色、中塗り、補色、上塗り工程を行っていき、

完成しました。コロニアルシリーズ特長のアンティーク調にうまく再現出来ました。 

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天板きわの部分も綺麗に仕上がりました。

 

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今回の修理代金は、

作業工賃¥47,000(税別)※価格は24年1月現在のもの

※傷の深さにより傷痕が残る場合がございます。

※UV仕様、ポリエステル樹脂仕様の天板は再塗装修理はできません。

※預かり修理対応となりますので別途運搬費要します。

【予めご了承ください】 

こんにちは。カリモク家具メンテナンス課です。

 

当社のロングセラー「コロニアルシリーズ」が今年発売50周年を迎えました。 

カリモクで一番長く販売されているシリーズ商品という事もあり、大変多くのお客様に

ご愛用されていますが、それに伴い修理を依頼される事も多くございます。

 

今回は、コロニアルシリーズの中でも修理依頼が多い食堂椅子の①籐張替修理と、

食堂椅子本体ぐらつきによる②再接着修理をご紹介します。

 

1-1.jpgのサムネイル画像  1-2-2.jpg 

藤張替               再接着修理

品番:CC3100GK         品番:CC1817  

 

●コロニアルシリーズ  食堂椅子CC3100GK  モタレ籐張替・完成品シート交換修理 

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今回ご紹介するCC3100GKモデルはモタレに籐を張った製品で、1985年から2001年まで

販売された人気商品でした。

販売終了後20年以上経過した現在も数多くのお客様にご愛用されており、それに伴い修理依頼も

増えてまいりました。中でも多いのが籐の破れによる張替修理です。 

 

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藤の修理は大きく分けて剥がし作業、張付け作業、塗装作業の3つを経て完成となります。

剥がし作業は、専用工具を用いて丁寧に剥がしていきます。  

 

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新しい籐は、タッカー工具を使い張り込んでいきます。 

籐は張り込む前に水に浸けておき、柔らかくなじませやすいようにしています。

張り終えた籐は乾燥の為1日時間を置きます。 

 

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1日乾燥させたのち、籐のケバをニッパー工具やバーナーなどで焼いたりして除去します。

周辺の木部は状態にもよりますが上塗り剤を塗布した方が良いと判断したら、それに備え

ペーパーで空研ぎをしておきます。 

 

  

①塗装はスプレーガンで木地着色したあと、②シンナーを染み込ませたウエスを使い摺り込む

ように拭き取っていきます。 その後下塗り、中塗り、補色を行い塗り重ねていきます。 

③アンティーク調に濃淡を付けて塗布し、コロニアルシリーズの外観特長を表現させていきます。 

 

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塗装後乾燥の為1日置いておき、翌日ケバ取りや革当てによる磨きを行う最終の作業を経て

完了です。今回シート完成品は、人工スエード「ディナミカ」仕様。

修理によって古く傷んだ椅子がきれいに再生しました。 

 

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■今回の修理内容: 

モタレ籐張替、シート完成品交換

張替、シート交換 工賃単価 ¥19,600 (税別)

シート完成品       単価 ¥17,900(税別)※張地により価格は異なります

合計                ¥37,500(税別) 

 

●コロニアルシリーズ  回転式食堂椅子CC1817NK 木部再接着修理、回転盤交換修理 

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CC1817モデルは、1992年から2019年まで販売された人気商品で回転式の他、回転しない

タイプも選べる商品でした。(現在は同デザインで回転盤にストッパー機能を追加した仕様に

変わり、品番はCC1837にて販売中です。)

 

販売が開始されたのが32年前という事もあり、販売初期に購入されたお客様より、脚周りの

ぐらつきを直して欲しいという修理依頼が増え始めています。 

 

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椅子本体のぐらつきは、各接合部の接着切れによって起こる場合が多く、修理は接合部すべてを

一旦バラバラに分解して、新しい接着剤を塗布し再組付けしていきます。

①どの脚とどの桟がどこに接合されていたか、分かるようにマスキングテープでマーキングを

  付けておきます。

②あて木をしてプラスティックハンマーでたたいて分解していきます。  

 

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③基本的には叩いてはずせるものはすべて分離させますが、しっかりと接着がきいている箇所は

 無理せずそのままにしておきます(叩き過ぎて壊してしまう恐れがあり、見極めが必要)。

④接合部の差込口に付着している古い接着剤はノミやペーパーヤスリを使い除去します。   

 

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⑤脚側の付着した古い接着剤もヤスリで完全に削り落とします。

⑥桟のさしこみ穴の掃除は、今回ドリルで作業しました。 

  

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⑦エポキシ接着剤は少し塗料を混ぜておきます。

 これで接合部の隙間や色落ち部分を目立たなくさせます。

⑧接着は「ハタガネ」工具を使います。

 ハタガネを使うことで部材を合わせ挟み、固定し圧着させます。 

 

58.jpg 

⑨圧着ではみだした接着剤はウエスを使うなどして除去します。 

 画像のように筆を使うと角の部分からはみ出た接着剤をよりきれいに除去する事が出来ます。

➉エポキシ接着剤は完全に硬化させる為、一昼夜時間を置きます。脚4本のバランスが

 狂わないようにガラス板に乗せ硬化するのを待ちます。 

  

59.jpg 

⑪脚部の接着剤が硬化したのを確認後、新しい回転盤を取り付けます。

 回転盤の交換目安としては回転がスムーズに動かなくなる他、画像のような黒い鉄粉が

 噴出してくる事も目安となります。 ベアリング式の回転盤は丸く縁取った内部に小さい

 鉄球が多数入っており、これが摩耗劣化する事で黒い鉄粉が出てきます。

 

今回の修理で脚のぐらつきも無くなり、回転盤も「新品に交換したことで購入当時の

しっかりと安定した座り心地を取り戻す事が出来ました。 

 

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こんにちは、仙台営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、学習机の上置棚(品番:AT0571MY)キズ補修です。

 

学習机「ボナ シェルタ」シリーズの組み合わせアイテムとして好評をいただいている商品で、      

ボナシェルタシリーズのデスクにもワゴンにも取り付け可能で、使い方の変化に合わせて 

組み替えができます。

 

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入荷された修理依頼品は後部に損傷を受けており、変形して一部の塗膜がはがれてしまっています。

修理方法はいろいろありますが、今回はパテ埋めによる修理ではなく、出来るだけ破損した下地を

そのまま使っての修理をすることにします。 

 

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この修理に使う道具として、

①霧吹き、アイロン。 霧吹きで破損した部分に水をかけたあと、木材の特性を生かして、

 アイロンで熱を加え押しつぶれたところを膨らませます。 

 

②瞬間接着剤、目立て、サンドペーパー。ある程度形を整えたあと瞬間接着剤で固め、

 目立てなどで表面を研磨してかたちを維持させます。 

 

③ホットナイフ、ハードワックス。 ハードワックスで近い色をつくり、ホットナイフで

 溶かしながら表面に付けてふたたび形を整えます。 

 

 

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①②③の道具で補修したあと、上塗り用のエアゾールを塗布しツヤ合わせして完了です。 

 

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一度ついたキズを無くすことはできませんが、出来る限り目立たないように

していく作業です。

状況や状態に良し悪しが出ますが差をなくすよう、また、お客様に喜んで頂けるよう

まい進します! 

 

今回の修理代金は、

作業工賃¥3,000(税別) 

2024年11月

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