こんにちは。カリモク家具メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理品は、かなり古い年代のもので購入時期が不明との事でした。

調べてみると当社に現存する一番古いカタログデータ(1970年発行)に掲載されていたのを見つけ、

少なくとも54年前には販売されていた「カラースツール」という商品です。

 

修理内容はシート部の張替という事でしたが、脱着式シートの裏面に樹脂製の縁取りパーツが付いて

おり、破損がひどい場合は代替素材を用いて対処しなければならないという事でした。どのようなものか

分からない事もあり、商品が入荷されてから対処を検討する事にしました。  

 

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【左:当時のカタログ掲載ページ 右:入荷されてきた修理依頼品】 

 

カタログで確認したところシート生地はオリジナルで、当時の姿形をそのまま保持していました。

商品名称は「背付椅子」(品番S-15TH)というもので、当時の販売価格は¥5,000でした。

この商品は他に背もたれ無しの椅子も有り、その商品はシートを外して別売の丸型天板に乗せ換えて、

画像のようにセンターテーブルとして使用する事もできました。 

 

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シートは椅子本体に対して乗せるだけの形態となっており、その下は物が収納できるようになっています。

シート裏に検討課題となっていた樹脂製の縁取りが配置されています。  

 

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樹脂材は若干汚れや変形など有りますが、再利用可能と判断して丁寧に外していきます。 

 

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表張材も綺麗に剥がせました。木製の座板に割れは無く補強は不要なようです。

ウレタンクッションはそれぞれ硬さが異なる、グレー色のチップウレタン、ベージュ色のスラブウレタンの

二層構造にして座り心地の改善にも配慮していきます。  

 

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ウレタンクッションを木製座板に綺麗に接着する事が出来ました。検討課題となっていました座裏の

樹脂パーツも綺麗に装着でき、椅子本体に支障なく乗せ置く事ができました。尚、裏面にはグレー色の

不織布を張り、見た目も配慮しておきました。 

 

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今回指定された張材は人工スエード「ディナミカ」。生地の素材感が椅子のデザインにマッチして

50年以上昔の製品とは思えないほど、違和感なく仕上がりました。

 

■今回の修理代金: 

シート張替工賃、張替材料費含め ¥15,200 (税別)※当時価格

 

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今回修理した椅子は、1970年のカタログに「従来の家具のイメージをカリモクが破りました。

新しい時代の若い世代に問い掛けた、新しい家具です」と謳ってありました。

この年は、「人類の進歩と調和」をテーマに国家プロジェクトとして大阪で万博が開催されたそうで、

国内の世相もかなり激しく変化し活発な活動があった時代だと思います。そうした背景が感じられる

意欲的な製品の修理に携われた事はすごく楽しく有意義な仕事でした。ありがとうございました!

こんにちは。

当社のロングセラー「コロニアルシリーズ」が今年発売50周年を迎えました。 

カリモクで一番長く販売されている製品という事もあり、ご愛用されているお客様は数多く

いらっしゃいます。 それに伴い修理を依頼される事の多い製品でもあります。

 

今回は前回に続きコロニアルシリーズ商品の修理をご紹介します。

内容は食堂テーブルの天板再塗装修理です。  

                     

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修理依頼品は、品番:DC4001JK 天板は円形仕様の食堂テーブルです。 

  

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サイズは120cm×120cmで、約20年ほど使用されているものですが、経年劣化により表面のツヤが

無くなり、小傷や汚れでかなり痛々しい状態になってしまっています。

 

 

作業は洗剤やシンナーなどで表面の汚れを除去した後、サンダー工具を使い塗膜を剥がして

いきますが、この製品は突板天板の為剥がし作業は慎重かつ丁寧に行わなければなりません。 

  

 

【突板天板を慎重に剥がす理由】 

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天板は突板(つきいた)仕様と無垢(むく)仕様の2種類が有り、突板は天然木を0.3~0.6ミリほどに

薄くスライスして、厚みがある合板や繊維板などの表面に圧着したものです。そのため、無垢材と違い

剥がし過ぎると木目柄が無くなる恐れがあるからです。 

 

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天板のきわは削れやすいので、慎重にサンダーで剥がしてきます。

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既存の塗膜を綺麗に除去した後、木地着色、中塗り、補色、上塗り工程を行っていき、

完成しました。コロニアルシリーズ特長のアンティーク調にうまく再現出来ました。 

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天板きわの部分も綺麗に仕上がりました。

 

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今回の修理代金は、

作業工賃¥47,000(税別)

※傷の深さにより傷痕が残る場合がございます。

※UV仕様、ポリエステル樹脂仕様の天板は再塗装修理はできません。

※預かり修理対応となりますので別途運搬費要します。

【予めご了承ください】 

こんにちは。カリモク家具メンテナンス課です。

 

当社のロングセラー「コロニアルシリーズ」が今年発売50周年を迎えました。 

カリモクで一番長く販売されているシリーズ商品という事もあり、大変多くのお客様に

ご愛用されていますが、それに伴い修理を依頼される事も多くございます。

 

今回は、コロニアルシリーズの中でも修理依頼が多い食堂椅子の①籐張替修理と、

食堂椅子本体ぐらつきによる②再接着修理をご紹介します。

 

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藤張替               再接着修理

品番:CC3100GK         品番:CC1817  

 

●コロニアルシリーズ  食堂椅子CC3100GK  モタレ籐張替・完成品シート交換修理 

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今回ご紹介するCC3100GKモデルはモタレに籐を張った製品で、1985年から2001年まで

販売された人気商品でした。

販売終了後20年以上経過した現在も数多くのお客様にご愛用されており、それに伴い修理依頼も

増えてまいりました。中でも多いのが籐の破れによる張替修理です。 

 

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藤の修理は大きく分けて剥がし作業、張付け作業、塗装作業の3つを経て完成となります。

剥がし作業は、専用工具を用いて丁寧に剥がしていきます。  

 

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新しい籐は、タッカー工具を使い張り込んでいきます。 

籐は張り込む前に水に浸けておき、柔らかくなじませやすいようにしています。

張り終えた籐は乾燥の為1日時間を置きます。 

 

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1日乾燥させたのち、籐のケバをニッパー工具やバーナーなどで焼いたりして除去します。

周辺の木部は状態にもよりますが上塗り剤を塗布した方が良いと判断したら、それに備え

ペーパーで空研ぎをしておきます。 

 

  

①塗装はスプレーガンで木地着色したあと、②シンナーを染み込ませたウエスを使い摺り込む

ように拭き取っていきます。 その後下塗り、中塗り、補色を行い塗り重ねていきます。 

③アンティーク調に濃淡を付けて塗布し、コロニアルシリーズの外観特長を表現させていきます。 

 

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塗装後乾燥の為1日置いておき、翌日ケバ取りや革当てによる磨きを行う最終の作業を経て

完了です。今回シート完成品は、人工スエード「ディナミカ」仕様。

修理によって古く傷んだ椅子がきれいに再生しました。 

 

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■今回の修理内容: 

モタレ籐張替、シート完成品交換

張替、シート交換 工賃単価 ¥19,600 (税別)

シート完成品       単価 ¥17,900(税別)※張地により価格は異なります

合計                ¥37,500(税別) 

 

●コロニアルシリーズ  回転式食堂椅子CC1817NK 木部再接着修理、回転盤交換修理 

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CC1817モデルは、1992年から2019年まで販売された人気商品で回転式の他、回転しない

タイプも選べる商品でした。(現在は同デザインで回転盤にストッパー機能を追加した仕様に

変わり、品番はCC1837にて販売中です。)

 

販売が開始されたのが32年前という事もあり、販売初期に購入されたお客様より、脚周りの

ぐらつきを直して欲しいという修理依頼が増え始めています。 

 

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椅子本体のぐらつきは、各接合部の接着切れによって起こる場合が多く、修理は接合部すべてを

一旦バラバラに分解して、新しい接着剤を塗布し再組付けしていきます。

①どの脚とどの桟がどこに接合されていたか、分かるようにマスキングテープでマーキングを

  付けておきます。

②あて木をしてプラスティックハンマーでたたいて分解していきます。  

 

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③基本的には叩いてはずせるものはすべて分離させますが、しっかりと接着がきいている箇所は

 無理せずそのままにしておきます(叩き過ぎて壊してしまう恐れがあり、見極めが必要)。

④接合部の差込口に付着している古い接着剤はノミやペーパーヤスリを使い除去します。   

 

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⑤脚側の付着した古い接着剤もヤスリで完全に削り落とします。

⑥桟のさしこみ穴の掃除は、今回ドリルで作業しました。 

  

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⑦エポキシ接着剤は少し塗料を混ぜておきます。

 これで接合部の隙間や色落ち部分を目立たなくさせます。

⑧接着は「ハタガネ」工具を使います。

 ハタガネを使うことで部材を合わせ挟み、固定し圧着させます。 

 

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⑨圧着ではみだした接着剤はウエスを使うなどして除去します。 

 画像のように筆を使うと角の部分からはみ出た接着剤をよりきれいに除去する事が出来ます。

➉エポキシ接着剤は完全に硬化させる為、一昼夜時間を置きます。脚4本のバランスが

 狂わないようにガラス板に乗せ硬化するのを待ちます。 

  

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⑪脚部の接着剤が硬化したのを確認後、新しい回転盤を取り付けます。

 回転盤の交換目安としては回転がスムーズに動かなくなる他、画像のような黒い鉄粉が

 噴出してくる事も目安となります。 ベアリング式の回転盤は丸く縁取った内部に小さい

 鉄球が多数入っており、これが摩耗劣化する事で黒い鉄粉が出てきます。

 

今回の修理で脚のぐらつきも無くなり、回転盤も「新品に交換したことで購入当時の

しっかりと安定した座り心地を取り戻す事が出来ました。 

 

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こんにちは、仙台営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、学習机の上置棚(品番:AT0571MY)キズ補修です。

 

学習机「ボナ シェルタ」シリーズの組み合わせアイテムとして好評をいただいている商品で、      

ボナシェルタシリーズのデスクにもワゴンにも取り付け可能で、使い方の変化に合わせて 

組み替えができます。

 

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入荷された修理依頼品は後部に損傷を受けており、変形して一部の塗膜がはがれてしまっています。

修理方法はいろいろありますが、今回はパテ埋めによる修理ではなく、出来るだけ破損した下地を

そのまま使っての修理をすることにします。 

 

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この修理に使う道具として、

①霧吹き、アイロン。 霧吹きで破損した部分に水をかけたあと、木材の特性を生かして、

 アイロンで熱を加え押しつぶれたところを膨らませます。 

 

②瞬間接着剤、目立て、サンドペーパー。ある程度形を整えたあと瞬間接着剤で固め、

 目立てなどで表面を研磨してかたちを維持させます。 

 

③ホットナイフ、ハードワックス。 ハードワックスで近い色をつくり、ホットナイフで

 溶かしながら表面に付けてふたたび形を整えます。 

 

 

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①②③の道具で補修したあと、上塗り用のエアゾールを塗布しツヤ合わせして完了です。 

 

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一度ついたキズを無くすことはできませんが、出来る限り目立たないように

していく作業です。

状況や状態に良し悪しが出ますが差をなくすよう、また、お客様に喜んで頂けるよう

まい進します! 

 

今回の修理代金は、

作業工賃¥3,000(税別) 

こんにちは、北陸営業所メンテナンス課です。

 

今回ご紹介する修理は、20年ほど前に納入された病院の病棟内で使用されている

食堂椅子の木製アーム部再塗装修理です。 

 

再塗装修理は作業の工程数が多く時間がかかるため、病院業務に支障がでないよう

総数10脚を5脚ずつ2回に分けて修理を行う事になりました。 

  

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↑修理工房に入荷されてきた食堂椅子。  

20年ほど使用された椅子とは思えないほど椅子本体のガタツキや張地破れは起きていませんが... 

 

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よく見ると、木部にキズや色ハゲなどが出来てしまっており、とくに手や腕が触れるアーム部分は

もっともひどく傷んでしまっています。 

 

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塗装作業の前準備として、モタレやシート部分は塗料が付かないようビニールをきれいにかぶせて

保護します。なお、シートの角は張地と木部が接触しているため、張地に色が付かないよう周辺の

張地をはがしておきます。 

 

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次に塗膜をはがしていく作業にかかります。サンダー工具などを使い、木地が出るまできれいに

むき取っていきます。サンダーが使えないキワ(右画像矢印)の部分はサンドペーパーを使い、

手で丁寧にむいていきます。 

 

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①付いていた塗膜はすべてむき取られました。 

②下地処理としてウエス(布)をつかって目止め剤をすり込んでいきます。

目止め剤は塗料が必要以上に木に染み込まないようにする事と、木部表面をなめらかにして

見た目を美しくする為のものです。 のちの着色にムラが出ないようしっかりとすり込んでいきます。 

 

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③次にスプレーガンを使い、中塗り処理としてサンディングシーラーを塗布します。

サンディングシーラーは厚塗りする事で、乾燥後サンドペーパーなどで研磨し、表面をよりなめらか

して質感をアップさせたり、塗料の密着性と耐久性を向上させます。 

 

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④乾燥後サンドペーパーで表面を研磨していきます。

サンドペーパーは#400番を使います。 #400とはペーパーの目の粗さを指す数字で、

番手という単位で表します。番手の数字が大きいほど目はきめ細かくなります。ちなみに

400番は塗装前の処理に適した番手となります。  

 

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⑤全体の研磨が完了後、着色塗料を塗布します。 名称はアーバンコニャック色。

台数は5脚あるので、色の濃さ加減を見極めながら着色していきます。 

 

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⑥最後に仕上げとなる上塗り剤(ウレタンフラット)で塗装をして塗膜とツヤ合わせをします。

今回はオリジナル同様に4分ツヤ消しにしました。

吹き付けの加減を調整して塗料のタレやざらつきがでないように丁寧に吹き付けていきます。 

 

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乾燥後、一部はがしていたシート張地を元に張りもどしてすべての修理作業が完了しました! 

 

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20年ほど前に、医療施設へ一括納入した椅子のリフレッシュ修理でしたが、

アーム木部のみの再塗装修理でも、椅子が見違えるように綺麗になったということで、

ご依頼先に大変喜んでいただけました。

やはり、修理後にご依頼先からお褒めの言葉をいただけると嬉しいものですね。

 

【修理費用】

技術料金 1台 \18,000円 ×10台 ¥180,000

配送経費 1台  ¥2500円 ×10台 ¥25,000

合計        ¥205,000(税別) ※当時料金

 

 

こんにちは、中部メンテナンス課です。 

今回ご紹介する修理は、※「うづくり仕上げ」和風民芸調リビングチェアです。

 

肘掛け部分の塗装が剝がれ傷んだ為、再塗装の修理をご希望されているものでしたが、

修復には木表面を剥き取る場合が多く、その際に表面の「うづくり仕上げ」が消えて無くなって

しまう事がある為、お客様へは事前にご理解をお願いし了承頂いての修理となりました。 

 

※うづくり仕上げとは・・      

うづくり説明文.jpg 

 

商品紹介画像.jpg 

◆今回の修理依頼品は、和風民芸タイプのリビングチェア(品番:GX49**)です。

 2000年~2007まで販売されていたモデルで、当時取り扱い店が限定されていた商品でした。

 木部フレームとモタレ、シートクッションは別売設定されており、クッションは4種の張地から選べる

 ようになっていました。

 入荷商品画像.jpg 

 ↑お預かりした椅子は4脚です(両肘×1・片肘×2・肘無×1)。

 肘部分の塗膜が経年劣化に伴い、木材表面の先端部分の塗膜は剥がれてしまっています。

 「うづくり仕上げ」の為、くぼみの深い箇所は塗料が残っている為、傷んだ部分がより目立った

 状態となってしまっています。 

 洗面器.jpg  

修理作業の段取りとして、まずは①写真の掃除道具を使用して木部全体を洗浄し、表面の汚れなどを落して

乾いた布で全体を拭き上げて行くのと同時に、キズ・欠け・塗膜の状態も確認していきます。

状態として塗膜の剝がれや細かな凹みキズ、皮脂などの汚れはありますが、この程度なら既存の塗膜を

ある程度残しつつ、うづくりの風合いをそのままにした修理が出来そうです。

 

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つぎに、

②新たに塗布する塗料の密着性を高める為、#150・200・320番の順番で、サンドペーパーで空研ぎして

いきます。 なお、全体のペーパー掛けはすべて手作業で行っていきます。  

この段階で凹み・欠けなどの修正をし、塗装の仕上がりをイメージしながらペーパーの剝き取り方に

強弱を付けて作業して行きます。 

  

【次に行う 塗装の工程について】 

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塗装の工程は大まかに、③木地着色・下・中塗り・空研ぎ→④補色・上塗りの順で作業し、剥いた部分も

スプレーガンを調整しながらボカシを作り、オリジナルに近い塗装へと再現させていきます。 

 

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「うづくり」の風合いも壊れず、色のぼかしも再現し上手く仕上がりました。

現物の状態を確認して修理方法を検討しましたが、判断に間違いは無かったようです。

 

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最後に、エラストフラムの交換とニードルフエルトを張り替えてすべての修理が完了しました。 

 

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「うづくり」仕様の再塗装修理という事で、お客様には条件つきでの修理というご提案でしたが現物の状態と

「うづくり」という特性を極力無くさない方向で検討した結果、より難儀で技量を伴う作業となりましたが

上手くまとめられたと思います。

これからも末永くご愛用頂けると幸いです。

 

今回の修理代金は、

部品代\5,200+作業代\87,200=合計\92,400【税別)

※当時の価格です

 

こんにちは、大阪営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、小物家具(電話台)本体がぐらついてしまい、使用に支障が出てしまっている

というものです。 購入されてから約35年ほど経過した状況で、各接合部の接着剤が劣化してしまった

可能性があります。

 

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◆今回の修理依頼品は、「グランドコロニアル」シリーズ、電話台(品番:AX1150WL)です。

 当社のロングセラーシリーズ「コロニアル」シリーズの上級シリーズとして、小物家具の他、リビング

 ダイニング商品も設定されたフルアイテムシリーズでした。

 アメリカ開拓時代の民芸家具をデザインベースに、大陸特有の砂嵐による風化現象をイメージ

 させる為、※「サンドブラストフィニッシュ技法」を駆使して製作されたものでした。

 

※サンドブラストフィニッシュとは・・ 

サンドブラスト.jpgのサムネイル画像

 

3点画像.jpg  

お預かりした製品は脚部接合箇所の接着剤が切れ緩んでしまい、全体が大きくぐらついてしまう状態です。

そのため、修理は構成されている各パーツをバラバラに分解した後、接着剤を塗布し再組付けを行う事

になります。

 

まずは、①上部収納部と脚部の組付けねじを外していきます。②収納部分が外れた状態です。

その後も各構成パーツを丁寧に外していきます。 

 

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↑すべてのパーツを外した状態です。

分解作業の際は、同時に汚れや古い接着剤の残りカスなどをきれいに除去していきます。

 

こうして見ると小物家具ですが各パーツは精密に造りこみがなされており、割れや大きな変形などは

有りませんでした。 パーツの点数がかなり多いので組み戻しの際は間違わないよう、各パーツに

ナンバリングを付け整理しておきます。  

 

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脚部の各接合部に接着剤を塗布し、ベルトで固定圧着します。

接着剤は2液タイプのエポキシ接着剤を使用。速乾性ではない為、乾燥固着させる為丸一日この状態で

乾燥させます。  

乾燥中の状態時を利用して、面相筆を使い一部の色剥げ部分を補色補修しておきます。 

  

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翌日、ベルトを外して各接合部位の固着を確認後、上部収納部を元通りに組付けてすべての修理作業が

完了しました(前面のスライド天板も無事可動しました)。  

 

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お客様より、新婚当初に購入した思い入れのある製品で、約35年ほど使い続けて今回初めて修理の

依頼をされたのだそうです。  

電話台という名称の製品も絶滅危惧種的なもので、現在このような造りこみの商品は市場にもなかなか

無いものですし今回はそうした背景もあり、いつも以上に気持ちを込めて修理させて頂きました。

ありがとうございました。 

 

■今回の修理代金は、

 作業代 ¥9,000(税別)

 

 

こんにちは・・・・東京北営業所メンテナンス課です。 

 

今回のご紹介は、リクライニングチェア、オットマンのリーニングです。

※スエード調の人工皮革を張ったリクライナーのクリーニングが出来ないか、というご相談が

当社お客様相談室に寄せられ、ご対応する事になったものです。

 

クリーニングは高圧洗浄と吸水洗浄を行う為、織りや品質感が独特な人工スエードは

クリーニング実施後生地を傷めたり風合いが変わってしまう恐れが有り、お客様へは

その点のご理解とご了承をいただき今回実施する運びとなりました。

 

◎弊社ホームページのクリーニングに関する注意事項では、以下の通り明記させていただいています。 

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 お預かりした椅子の状態は汚れが染み状に変色しており、リクライニングチェアはアーム、

 シート部が特に汚れている状態。 オットマンは若干汚れは薄い状態ですが表面全体に

 染みついた状態です。 

  

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 同色の張地サンプルで色の違いを確認しておきます。クリーニング後も確認し、色合いの

 目安とします。クリーニングには以下の機器を使います。

 ①スチームクリーナー: 高温の蒸気を当て汚れを分解。殺菌消臭も期待できます。

 ②リンスクリーナー : 洗剤で落ちた汚れを水ですすぎ、その水の吸水もします。 

  

 【クリーニング作業】

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 ①まずは、専用の洗剤を全体に噴霧していきます。

 ②ブラッシングをして洗剤を浸透、汚れを浮かせていきます。

 ③スチームクリーナーを使い、高温のスチームで繊維の奥まで洗浄します。 

  

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 ④リンスクリーナーで水を噴射して汚れを洗い出しながら、バキュームで汚水を吸い込んで 

  いきます。

 ⑤吸い込んだ汚水はリンスクリーナーに設けてあるバケツに流れ込む仕掛けになっており、

  ご覧のようにかなりの汚れが吸い出されたのが確認できます。

 ⑥同色のサンプルで再確認。濡れているので色調の濃淡差有りますが、乾けばかなり近い

  色調になりそうです。 

 

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 オットマンで約60分の作業時間を要しました。リクライナーも同様の手順で作業を実施し、

 約2時間半ほど要し、合計3時間半掛けこの日の作業は終了しました。

 一旦乾燥時間を設け、後日最終洗浄(濯ぎ作業)を実施します。

 

 【最終洗浄後】 

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 後日2回目となる作業を実施。 薄茶色の汚れが消え、清潔感のあるライトブルーが復活

 しました。 作業後約1週間程乾燥させたのち、ブラッシングで表面をならし完了しました。

 張地サンプルとの色差もほぼ無くなりました。 

 

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 人工スエードの張材は生地の特性上、洗浄後に表面にスジが入ったり風合いが変わって

 しまう恐れも有りましたが、その点を意識しながら丁寧に時間を掛け作業させて頂きました。

 張地に大きなダメージも無く終える事が出来、良かったと思います。 

 

 

 今回の修理代金は、

 作業工賃¥16,800(税別) ・ 配送費¥7,500(税別)

 合計 ¥24,300(税別)

 ※お預かり期間 3週間

こんにちは・・・・西宮営業所メンテナンス課です。

今回の修理は、お客様宅で実施した食堂テーブルの幕板部分をのささくれ、補色修理を

ご紹介致します。

 

修理箇所はテーブル本体の「幕板」というもので、天板下の脚と脚との間に配置されている

長い板状の部分です。  この部材の役割としては、テーブル本体の補強や反りの防止、

デザイン性などが挙げられますが、

 

今回の傷みの原因として、経年劣化や出入りの際に膝などが接触するなどして塗膜が剥がれ

たり、角面にささくれなどが生じてきたようです。


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修理の手順としては、まず速乾性の充填剤を塗布してささくれ部分を固めていきます。

充填剤が固着後、「目立てヤスリ」で凹凸した面を引っ掛かりが感じなくなるまでしっかりと

研磨していきます。


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幕板の角面全体が平滑に出来たら、下処理の仕上げにスチールウールで表面を軽く研磨して

ならしておきます。 次に面相筆を使い、色が剥げた部分に補色していきます。

補色が完了しましたら、エアゾール式の着色スプレーで色合いが自然な感じになるよう軽く

塗布しておきます。

 

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塗装の仕上げは、ラッカーフラット(透明の上塗り剤)を幕板全面に吹き付け、艶合わせを

施してすべての修理作業が完了しました。

 

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仕上がり確認を頂いたお客様から、いままで来客がある度にささくれで洋服を傷つけないかと

心配でしたが、これで安心してテーブルが使えるようになりました、と喜んでいただけました。

ありがとうございました。

  

 

修理代は

幕板修理技術料金 ¥7,700

出張費         ¥5,500

合計          ¥13,200(税込み)

※技術料金は当時の見積価格です。見積額は破損状態により異なります。

こんにちは、神戸営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、食堂テーブルの脚ぐらつき修理です。                        

 

修理依頼品は一本脚仕様の丸型テーブル(品番:DC4001JK コロニアルシリーズ)です。

支柱を支える4本の桟が緩み、テーブル本体が不安定な状況になっていたそうで、

お預かり時、一本の桟は完全にダボ(部材同士をつなぎ合わせる際に差し込まれた

木製小片)折れていました。 

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1-8訂正版.jpgのサムネイル画像
修理は、まず残ったダボ材の除去から始めます。

①残ったダボ材をドリル等で粉砕しながら抜き取ります。

②穴の内径が拡がらないよう丁寧にあけ直しを行うと同時に、深さも考慮しながら

 作業します。

③新しいダボ材に接着剤を塗布して打ち込みます。 

   

1-11訂正版.jpg 1-12訂正版.jpg

支柱と桟にエポキシ系接着剤を塗布して、「旗がね」工具で圧着します。

乾燥固着に約1日置いたのち、取り外しておいた補強金具を元の通りに取り付けて

完了です。

 

2021.2.4_13職人のひと言.jpgのサムネイル画像  

一見するとダボが折れ、桟もぐらつき外れそうになっていたりと、修復が

大変なことと思われるかもしれませんが、 我々作業者からすると難しい

修理ではありません。 

しっかりと修理すれば、まだまだ末永くご愛用できます。

今回修理のご要請をいただきありがとうございました!

 

修理代は

修理技術料金  ¥3,850

預り料金      ¥5,500

合計          ¥9,350(税込み)

※2022年8月現在価格です


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