今回のご紹介は、シートが置きクッション仕様になっているシェーズロングチェア(品番:UU4039)の

インナークッション部のクリーニングメンテナンスです。

 

カバーリング仕様のシートなので、カバー自体は外してクリーニング屋へ出されたそうですが、

内部のクッション本体は対処が出来ず、今回メンテナンス課でクリーニングを実施する事となりました。

 

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↑修理工房に入荷されてきたインナークッション。 今回はクッションのみで入荷されてきました。 

 椅子の姿は右画像のようになります。 

 

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インナークッションのシミ汚れの状態。かなり大きな範囲のシミ汚れとなっており、初見の印象では

クリーニングを施しても痕は残る可能性が高いと感じておりました。 

 

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クリーニングには、2台のクリーナー機器を使い対処していきます。

①スチームクリーナー :                                                                                                 スチームをあてて汚れを分解して浮かせていく機械。 高温の蒸気ゆえに殺菌の効果も期待できます。

②リンスクリーナー  :                                            

洗浄後に濯ぎをして汚水を取る機械です。水を噴射して汚れを除去しながら、バキューム機能で汚水を

回収していきます。 

 

1-5 泡立て.jpg 1-5 スチーム実施.jpg 

③作業として、まず汚れを浮かす為に洗浄液を噴霧し、布地を傷めない柔らかい毛先のブラシを使い

 泡立てながら洗浄液を浸透させていきます。 

④スチームクリーナーで汚れを浮かせて除去しやすいようにしていきます。スチームは高温なので、

 ダニの除去や殺菌にも効果が有ります。 

 

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⑤リンスクリーナーを使い、水を噴射して洗浄しながら汚水をバキュームで吸い取っていきます。 

⑥吸い取った汚水を容器に移し替えてみたところ、かなり濁っています。それだけ汚れが取れたという

 事になりますね。 

 

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作業終了後、1日乾燥させます。 乾燥後汚れが浮き出る事もなく無事完了しました。 

 

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インナークッションに付いたシミ汚れがきれいに除去できました。

クリーニングメンテナンスはリンスクリーナーでクッションの表面に留まらず内部まで洗浄が出来るほか、

高温のスチームを使う事で殺菌、ダニの駆除が出来るのも大きなメリットです。  

特に6月~9月の高温多湿な時期はダニが大量に繫殖しやすいので、気になる方はぜひご検討ください。 

 

修理費用

技術料金 シート、モタレ置きクッション一式 ¥12,000(税別) 

配送経費 ※お客様持ち込みの為発生しません

合計   ¥12,000(税別) ※当時の価格

こんにちは。

今回ご紹介する修理は引越業者様からの依頼で、移送中に長椅子のアーム部分やモタレの

先端などに打ち傷がついてしまった為、修理の要請が入ったものです。

発生箇所は5カ所におよび、その状態もさまざまなものとなっており、サービススタッフの技量が

求められる修理となります。

 

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↑修理工房に入荷されてきた長椅子(品番W15612K367)。 

  置きクッション仕様なので、クッションを外した状態で入荷されてきました。  

  本来の姿は右画像のようになります。

 

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キズ5カ所中、もっとも目立つ箇所についた木肘の先端部分の補修から着手します。

キズは木の一部が欠損しており、形状を復元させる為充填剤として瞬間接着剤を塗布します。 

 

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①スプレー式のプライマー(接着剤の硬化促進剤)を塗布して瞬間的に硬化させます。

②硬化後、目立てヤスリで丁寧に研磨しながら元の形状に近づけていきます。 

 

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③仕上げにスチールウールで磨き補色前の処置を施します。

④形状の復元とキズ周辺の磨き処置が完了したので、補色の作業に移ります。 

 

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⑤補色は面相筆を使用します。色付け作業はなかなか難しいものがあり、仕上がりに大きく影響してくる

 重要な作業です。色の濃淡や木独特の柄など、不自然さが出ないよう気を付けながら補色していきます。

⑥仕上げに、ツヤ合わせと塗膜形成の目的でエアゾール式のフラットスプレーを吹き付け、作業は完了です。 

 

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木肘の先端部はいちばん目立つ部分ですが、きれいに修復できました。

他の4か所のキズも以下のように修復いたしました。 

 

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モタレトップの打ちキズ  

 

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前脚下の角 木部欠け   

 

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モタレトップ 木部欠け 

 

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モタレトップ後方 打ちキズ  

 

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引っ越し業者様の移送中に起きたキズの補修依頼はたまにありますが、カリモク製品は

厳選した素材、しっかりとした作り込みなので大方の修理は可能です。修理でお困りの際は

お気軽にご相談ください。 

 

修理費用

技術料金 キズ1か所 \5,500×5カ所  ¥27,500 

配送経費 ※引っ越し業者様持ち込みの為発生しません

合計        ¥27,500(税別) ※金額は24年5月現在のもの

 

 

 

こんにちは、関東メンテナンス課です。

今回は素上げ調のオイル仕上げ革を使ったソファー(品番:ZSA153)、革メンテナンスのご紹介です。 

 

修理依頼品は老人ホームで使用されているソファーで、オイル仕上げ革に起きてしまう事がある

色褪せやツヤが無くなる、手触り感がざらつくようになってきたという状態です。

 

主な原因として挙げられるのが乾燥です。 人間の皮膚も乾燥しすぎると肌荒れやひび割れといった

肌トラブルとなってしまいますが、革製品の革も乾燥しすぎるとおなじような現象が起きます。 

 

改善策として有効なのは、人間といっしょで「保湿」です。 今回はオイル革専用のオイルを使い、

保湿を改善させるのと合わせ、皮革製造業者様の協力をいただき一部汚れの除去に挑みました。

 

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上の画像が今回の修理依頼品です。

画像では分かりづらいですが、表面はパサパサでかなりの乾燥肌となっっている状態。

色もかなり褪せてしまっており、ツヤも無くなってしまっています。 

 

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まず行う作業として、オイル仕上げ革に施してある防水加工を除去していきます。

皮革製造業者様のレクチャーを受けながら、汚れシミの境をぼかすイメージで、工業用アルコール

(約30~40%の水割りで)を軽くたたき込みながら色が変わるまで濡らしていきます。 

 

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アルコールによって防水加工が除去された後、専用のオイルを塗り込んでいきます。

オイルが革に染み込み濡れ色になる事で、局部的な汚れが目立たなくなり、全体的にアンティークな

仕上げに見えて良い感じになってきました。

オイルの染み込みが悪い箇所は、再度アルコール水で拭き取ったのちオイルを塗り込んで乾燥させる

事を2~3回程行う事で改善していきます。 

 

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作業実施後数日乾燥の為の時間を設けます。

今回の作業で防水加工は無くなってしまいましたが、ご覧のように品質の良い独特な革の艶やかさ、

アンティーク調のしっとりとした雰囲気に仕上がりました。 

 

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法人営業担当者の熱い思いと事前段取りのおかげで、困難な作業でしたが対処する事が出来ました。

今回のメンテナンス作業で防水効果は無くなってしまいましたが、お手入れする程に味わい深くなる

革本来の良さが引き出せました。施設にご入居のお客様には、ぜひお座り頂きご体感頂けると幸いです。 

 

今回の修理代金は、

作業工賃  長椅子 1脚 ¥30,000(税別)※価格は24年4月現在のもの 

こんにちは。カリモク家具メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理品は、かなり古い年代のもので購入時期が不明との事でした。

調べてみると当社に現存する一番古いカタログデータ(1970年発行)に掲載されていたのを見つけ、

少なくとも54年前には販売されていた「カラースツール」という商品です。

 

修理内容はシート部の張替という事でしたが、脱着式シートの裏面に樹脂製の縁取りパーツが付いて

おり、破損がひどい場合は代替素材を用いて対処しなければならないという事でした。どのようなものか

分からない事もあり、商品が入荷されてから対処を検討する事にしました。  

 

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【左:当時のカタログ掲載ページ 右:入荷されてきた修理依頼品】 

 

カタログで確認したところシート生地はオリジナルで、当時の姿形をそのまま保持していました。

商品名称は「背付椅子」(品番S-15TH)というもので、当時の販売価格は¥5,000でした。

この商品は他に背もたれ無しの椅子も有り、その商品はシートを外して別売の丸型天板に乗せ換えて、

画像のようにセンターテーブルとして使用する事もできました。 

 

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シートは椅子本体に対して乗せるだけの形態となっており、その下は物が収納できるようになっています。

シート裏に検討課題となっていた樹脂製の縁取りが配置されています。  

 

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樹脂材は若干汚れや変形など有りますが、再利用可能と判断して丁寧に外していきます。 

 

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表張材も綺麗に剥がせました。木製の座板に割れは無く補強は不要なようです。

ウレタンクッションはそれぞれ硬さが異なる、グレー色のチップウレタン、ベージュ色のスラブウレタンの

二層構造にして座り心地の改善にも配慮していきます。  

 

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ウレタンクッションを木製座板に綺麗に接着する事が出来ました。検討課題となっていました座裏の

樹脂パーツも綺麗に装着でき、椅子本体に支障なく乗せ置く事ができました。尚、裏面にはグレー色の

不織布を張り、見た目も配慮しておきました。 

 

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今回指定された張材は人工スエード「ディナミカ」。生地の素材感が椅子のデザインにマッチして

50年以上昔の製品とは思えないほど、違和感なく仕上がりました。

 

■今回の修理代金: 

シート張替工賃、張替材料費含め ¥15,200 (税別)※価格は24年2月現在のもの

 

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今回修理した椅子は、1970年のカタログに「従来の家具のイメージをカリモクが破りました。

新しい時代の若い世代に問い掛けた、新しい家具です」と謳ってありました。

この年は、「人類の進歩と調和」をテーマに国家プロジェクトとして大阪で万博が開催されたそうで、

国内の世相もかなり激しく変化し活発な活動があった時代だと思います。そうした背景が感じられる

意欲的な製品の修理に携われた事はすごく楽しく有意義な仕事でした。ありがとうございました!

こんにちは。

当社のロングセラー「コロニアルシリーズ」が今年発売50周年を迎えました。 

カリモクで一番長く販売されている製品という事もあり、ご愛用されているお客様は数多く

いらっしゃいます。 それに伴い修理を依頼される事の多い製品でもあります。

 

今回は前回に続きコロニアルシリーズ商品の修理をご紹介します。

内容は食堂テーブルの天板再塗装修理です。  

                     

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修理依頼品は、品番:DC4001JK 天板は円形仕様の食堂テーブルです。 

  

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サイズは120cm×120cmで、約20年ほど使用されているものですが、経年劣化により表面のツヤが

無くなり、小傷や汚れでかなり痛々しい状態になってしまっています。

 

 

作業は洗剤やシンナーなどで表面の汚れを除去した後、サンダー工具を使い塗膜を剥がして

いきますが、この製品は突板天板の為剥がし作業は慎重かつ丁寧に行わなければなりません。 

  

 

【突板天板を慎重に剥がす理由】 

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天板は突板(つきいた)仕様と無垢(むく)仕様の2種類が有り、突板は天然木を0.3~0.6ミリほどに

薄くスライスして、厚みがある合板や繊維板などの表面に圧着したものです。そのため、無垢材と違い

剥がし過ぎると木目柄が無くなる恐れがあるからです。 

 

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天板のきわは削れやすいので、慎重にサンダーで剥がしてきます。

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既存の塗膜を綺麗に除去した後、木地着色、中塗り、補色、上塗り工程を行っていき、

完成しました。コロニアルシリーズ特長のアンティーク調にうまく再現出来ました。 

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天板きわの部分も綺麗に仕上がりました。

 

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今回の修理代金は、

作業工賃¥47,000(税別)※価格は24年1月現在のもの

※傷の深さにより傷痕が残る場合がございます。

※UV仕様、ポリエステル樹脂仕様の天板は再塗装修理はできません。

※預かり修理対応となりますので別途運搬費要します。

【予めご了承ください】 

こんにちは。カリモク家具メンテナンス課です。

 

当社のロングセラー「コロニアルシリーズ」が今年発売50周年を迎えました。 

カリモクで一番長く販売されているシリーズ商品という事もあり、大変多くのお客様に

ご愛用されていますが、それに伴い修理を依頼される事も多くございます。

 

今回は、コロニアルシリーズの中でも修理依頼が多い食堂椅子の①籐張替修理と、

食堂椅子本体ぐらつきによる②再接着修理をご紹介します。

 

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藤張替               再接着修理

品番:CC3100GK         品番:CC1817  

 

●コロニアルシリーズ  食堂椅子CC3100GK  モタレ籐張替・完成品シート交換修理 

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今回ご紹介するCC3100GKモデルはモタレに籐を張った製品で、1985年から2001年まで

販売された人気商品でした。

販売終了後20年以上経過した現在も数多くのお客様にご愛用されており、それに伴い修理依頼も

増えてまいりました。中でも多いのが籐の破れによる張替修理です。 

 

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藤の修理は大きく分けて剥がし作業、張付け作業、塗装作業の3つを経て完成となります。

剥がし作業は、専用工具を用いて丁寧に剥がしていきます。  

 

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新しい籐は、タッカー工具を使い張り込んでいきます。 

籐は張り込む前に水に浸けておき、柔らかくなじませやすいようにしています。

張り終えた籐は乾燥の為1日時間を置きます。 

 

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1日乾燥させたのち、籐のケバをニッパー工具やバーナーなどで焼いたりして除去します。

周辺の木部は状態にもよりますが上塗り剤を塗布した方が良いと判断したら、それに備え

ペーパーで空研ぎをしておきます。 

 

  

①塗装はスプレーガンで木地着色したあと、②シンナーを染み込ませたウエスを使い摺り込む

ように拭き取っていきます。 その後下塗り、中塗り、補色を行い塗り重ねていきます。 

③アンティーク調に濃淡を付けて塗布し、コロニアルシリーズの外観特長を表現させていきます。 

 

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塗装後乾燥の為1日置いておき、翌日ケバ取りや革当てによる磨きを行う最終の作業を経て

完了です。今回シート完成品は、人工スエード「ディナミカ」仕様。

修理によって古く傷んだ椅子がきれいに再生しました。 

 

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■今回の修理内容: 

モタレ籐張替、シート完成品交換

張替、シート交換 工賃単価 ¥19,600 (税別)

シート完成品       単価 ¥17,900(税別)※張地により価格は異なります

合計                ¥37,500(税別) 

 

●コロニアルシリーズ  回転式食堂椅子CC1817NK 木部再接着修理、回転盤交換修理 

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CC1817モデルは、1992年から2019年まで販売された人気商品で回転式の他、回転しない

タイプも選べる商品でした。(現在は同デザインで回転盤にストッパー機能を追加した仕様に

変わり、品番はCC1837にて販売中です。)

 

販売が開始されたのが32年前という事もあり、販売初期に購入されたお客様より、脚周りの

ぐらつきを直して欲しいという修理依頼が増え始めています。 

 

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椅子本体のぐらつきは、各接合部の接着切れによって起こる場合が多く、修理は接合部すべてを

一旦バラバラに分解して、新しい接着剤を塗布し再組付けしていきます。

①どの脚とどの桟がどこに接合されていたか、分かるようにマスキングテープでマーキングを

  付けておきます。

②あて木をしてプラスティックハンマーでたたいて分解していきます。  

 

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③基本的には叩いてはずせるものはすべて分離させますが、しっかりと接着がきいている箇所は

 無理せずそのままにしておきます(叩き過ぎて壊してしまう恐れがあり、見極めが必要)。

④接合部の差込口に付着している古い接着剤はノミやペーパーヤスリを使い除去します。   

 

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⑤脚側の付着した古い接着剤もヤスリで完全に削り落とします。

⑥桟のさしこみ穴の掃除は、今回ドリルで作業しました。 

  

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⑦エポキシ接着剤は少し塗料を混ぜておきます。

 これで接合部の隙間や色落ち部分を目立たなくさせます。

⑧接着は「ハタガネ」工具を使います。

 ハタガネを使うことで部材を合わせ挟み、固定し圧着させます。 

 

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⑨圧着ではみだした接着剤はウエスを使うなどして除去します。 

 画像のように筆を使うと角の部分からはみ出た接着剤をよりきれいに除去する事が出来ます。

➉エポキシ接着剤は完全に硬化させる為、一昼夜時間を置きます。脚4本のバランスが

 狂わないようにガラス板に乗せ硬化するのを待ちます。 

  

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⑪脚部の接着剤が硬化したのを確認後、新しい回転盤を取り付けます。

 回転盤の交換目安としては回転がスムーズに動かなくなる他、画像のような黒い鉄粉が

 噴出してくる事も目安となります。 ベアリング式の回転盤は丸く縁取った内部に小さい

 鉄球が多数入っており、これが摩耗劣化する事で黒い鉄粉が出てきます。

 

今回の修理で脚のぐらつきも無くなり、回転盤も「新品に交換したことで購入当時の

しっかりと安定した座り心地を取り戻す事が出来ました。 

 

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こんにちは、仙台営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、学習机の上置棚(品番:AT0571MY)キズ補修です。

 

学習机「ボナ シェルタ」シリーズの組み合わせアイテムとして好評をいただいている商品で、      

ボナシェルタシリーズのデスクにもワゴンにも取り付け可能で、使い方の変化に合わせて 

組み替えができます。

 

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入荷された修理依頼品は後部に損傷を受けており、変形して一部の塗膜がはがれてしまっています。

修理方法はいろいろありますが、今回はパテ埋めによる修理ではなく、出来るだけ破損した下地を

そのまま使っての修理をすることにします。 

 

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この修理に使う道具として、

①霧吹き、アイロン。 霧吹きで破損した部分に水をかけたあと、木材の特性を生かして、

 アイロンで熱を加え押しつぶれたところを膨らませます。 

 

②瞬間接着剤、目立て、サンドペーパー。ある程度形を整えたあと瞬間接着剤で固め、

 目立てなどで表面を研磨してかたちを維持させます。 

 

③ホットナイフ、ハードワックス。 ハードワックスで近い色をつくり、ホットナイフで

 溶かしながら表面に付けてふたたび形を整えます。 

 

 

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①②③の道具で補修したあと、上塗り用のエアゾールを塗布しツヤ合わせして完了です。 

 

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一度ついたキズを無くすことはできませんが、出来る限り目立たないように

していく作業です。

状況や状態に良し悪しが出ますが差をなくすよう、また、お客様に喜んで頂けるよう

まい進します! 

 

今回の修理代金は、

作業工賃¥3,000(税別) 

こんにちは、北陸営業所メンテナンス課です。

 

今回ご紹介する修理は、20年ほど前に納入された病院の病棟内で使用されている

食堂椅子の木製アーム部再塗装修理です。 

 

再塗装修理は作業の工程数が多く時間がかかるため、病院業務に支障がでないよう

総数10脚を5脚ずつ2回に分けて修理を行う事になりました。 

  

CE2310.jpgのサムネイル画像 1-2.jpgのサムネイル画像 

↑修理工房に入荷されてきた食堂椅子。  

20年ほど使用された椅子とは思えないほど椅子本体のガタツキや張地破れは起きていませんが... 

 

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よく見ると、木部にキズや色ハゲなどが出来てしまっており、とくに手や腕が触れるアーム部分は

もっともひどく傷んでしまっています。 

 

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塗装作業の前準備として、モタレやシート部分は塗料が付かないようビニールをきれいにかぶせて

保護します。なお、シートの角は張地と木部が接触しているため、張地に色が付かないよう周辺の

張地をはがしておきます。 

 

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次に塗膜をはがしていく作業にかかります。サンダー工具などを使い、木地が出るまできれいに

むき取っていきます。サンダーが使えないキワ(右画像矢印)の部分はサンドペーパーを使い、

手で丁寧にむいていきます。 

 

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①付いていた塗膜はすべてむき取られました。 

②下地処理としてウエス(布)をつかって目止め剤をすり込んでいきます。

目止め剤は塗料が必要以上に木に染み込まないようにする事と、木部表面をなめらかにして

見た目を美しくする為のものです。 のちの着色にムラが出ないようしっかりとすり込んでいきます。 

 

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③次にスプレーガンを使い、中塗り処理としてサンディングシーラーを塗布します。

サンディングシーラーは厚塗りする事で、乾燥後サンドペーパーなどで研磨し、表面をよりなめらか

して質感をアップさせたり、塗料の密着性と耐久性を向上させます。 

 

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④乾燥後サンドペーパーで表面を研磨していきます。

サンドペーパーは#400番を使います。 #400とはペーパーの目の粗さを指す数字で、

番手という単位で表します。番手の数字が大きいほど目はきめ細かくなります。ちなみに

400番は塗装前の処理に適した番手となります。  

 

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⑤全体の研磨が完了後、着色塗料を塗布します。 名称はアーバンコニャック色。

台数は5脚あるので、色の濃さ加減を見極めながら着色していきます。 

 

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⑥最後に仕上げとなる上塗り剤(ウレタンフラット)で塗装をして塗膜とツヤ合わせをします。

今回はオリジナル同様に4分ツヤ消しにしました。

吹き付けの加減を調整して塗料のタレやざらつきがでないように丁寧に吹き付けていきます。 

 

1-20.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像 1-21.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像 1-22.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像 

乾燥後、一部はがしていたシート張地を元に張りもどしてすべての修理作業が完了しました! 

 

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20年ほど前に、医療施設へ一括納入した椅子のリフレッシュ修理でしたが、

アーム木部のみの再塗装修理でも、椅子が見違えるように綺麗になったということで、

ご依頼先に大変喜んでいただけました。

やはり、修理後にご依頼先からお褒めの言葉をいただけると嬉しいものですね。

 

【修理費用】

技術料金 1台 \18,000円 ×10台 ¥180,000

配送経費 1台  ¥2500円 ×10台 ¥25,000

合計        ¥205,000(税別) ※当時料金

 

 

こんにちは、中部メンテナンス課です。 

今回ご紹介する修理は、※「うづくり仕上げ」和風民芸調リビングチェアです。

 

肘掛け部分の塗装が剝がれ傷んだ為、再塗装の修理をご希望されているものでしたが、

修復には木表面を剥き取る場合が多く、その際に表面の「うづくり仕上げ」が消えて無くなって

しまう事がある為、お客様へは事前にご理解をお願いし了承頂いての修理となりました。 

 

※うづくり仕上げとは・・      

うづくり説明文.jpg 

 

商品紹介画像.jpg 

◆今回の修理依頼品は、和風民芸タイプのリビングチェア(品番:GX49**)です。

 2000年~2007まで販売されていたモデルで、当時取り扱い店が限定されていた商品でした。

 木部フレームとモタレ、シートクッションは別売設定されており、クッションは4種の張地から選べる

 ようになっていました。

 入荷商品画像.jpg 

 ↑お預かりした椅子は4脚です(両肘×1・片肘×2・肘無×1)。

 肘部分の塗膜が経年劣化に伴い、木材表面の先端部分の塗膜は剥がれてしまっています。

 「うづくり仕上げ」の為、くぼみの深い箇所は塗料が残っている為、傷んだ部分がより目立った

 状態となってしまっています。 

 洗面器.jpg  

修理作業の段取りとして、まずは①写真の掃除道具を使用して木部全体を洗浄し、表面の汚れなどを落して

乾いた布で全体を拭き上げて行くのと同時に、キズ・欠け・塗膜の状態も確認していきます。

状態として塗膜の剝がれや細かな凹みキズ、皮脂などの汚れはありますが、この程度なら既存の塗膜を

ある程度残しつつ、うづくりの風合いをそのままにした修理が出来そうです。

 

#サンドペーパー.jpg

つぎに、

②新たに塗布する塗料の密着性を高める為、#150・200・320番の順番で、サンドペーパーで空研ぎして

いきます。 なお、全体のペーパー掛けはすべて手作業で行っていきます。  

この段階で凹み・欠けなどの修正をし、塗装の仕上がりをイメージしながらペーパーの剝き取り方に

強弱を付けて作業して行きます。 

  

【次に行う 塗装の工程について】 

塗工程.jpg  

塗装の工程は大まかに、③木地着色・下・中塗り・空研ぎ→④補色・上塗りの順で作業し、剥いた部分も

スプレーガンを調整しながらボカシを作り、オリジナルに近い塗装へと再現させていきます。 

 

ビフォーアフター.jpg

「うづくり」の風合いも壊れず、色のぼかしも再現し上手く仕上がりました。

現物の状態を確認して修理方法を検討しましたが、判断に間違いは無かったようです。

 

エラストフラム.jpg

最後に、エラストフラムの交換とニードルフエルトを張り替えてすべての修理が完了しました。 

 

職人の一言.jpg   

「うづくり」仕様の再塗装修理という事で、お客様には条件つきでの修理というご提案でしたが現物の状態と

「うづくり」という特性を極力無くさない方向で検討した結果、より難儀で技量を伴う作業となりましたが

上手くまとめられたと思います。

これからも末永くご愛用頂けると幸いです。

 

今回の修理代金は、

部品代\5,200+作業代\87,200=合計\92,400【税別)

※当時の価格です

 

こんにちは、大阪営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、小物家具(電話台)本体がぐらついてしまい、使用に支障が出てしまっている

というものです。 購入されてから約35年ほど経過した状況で、各接合部の接着剤が劣化してしまった

可能性があります。

 

1-3.jpgのサムネイル画像   

◆今回の修理依頼品は、「グランドコロニアル」シリーズ、電話台(品番:AX1150WL)です。

 当社のロングセラーシリーズ「コロニアル」シリーズの上級シリーズとして、小物家具の他、リビング

 ダイニング商品も設定されたフルアイテムシリーズでした。

 アメリカ開拓時代の民芸家具をデザインベースに、大陸特有の砂嵐による風化現象をイメージ

 させる為、※「サンドブラストフィニッシュ技法」を駆使して製作されたものでした。

 

※サンドブラストフィニッシュとは・・ 

サンドブラスト.jpgのサムネイル画像

 

3点画像.jpg  

お預かりした製品は脚部接合箇所の接着剤が切れ緩んでしまい、全体が大きくぐらついてしまう状態です。

そのため、修理は構成されている各パーツをバラバラに分解した後、接着剤を塗布し再組付けを行う事

になります。

 

まずは、①上部収納部と脚部の組付けねじを外していきます。②収納部分が外れた状態です。

その後も各構成パーツを丁寧に外していきます。 

 

ばらした画像.jpg  

↑すべてのパーツを外した状態です。

分解作業の際は、同時に汚れや古い接着剤の残りカスなどをきれいに除去していきます。

 

こうして見ると小物家具ですが各パーツは精密に造りこみがなされており、割れや大きな変形などは

有りませんでした。 パーツの点数がかなり多いので組み戻しの際は間違わないよう、各パーツに

ナンバリングを付け整理しておきます。  

 

再接着画像.jpg 

脚部の各接合部に接着剤を塗布し、ベルトで固定圧着します。

接着剤は2液タイプのエポキシ接着剤を使用。速乾性ではない為、乾燥固着させる為丸一日この状態で

乾燥させます。  

乾燥中の状態時を利用して、面相筆を使い一部の色剥げ部分を補色補修しておきます。 

  

最終画像.jpg

翌日、ベルトを外して各接合部位の固着を確認後、上部収納部を元通りに組付けてすべての修理作業が

完了しました(前面のスライド天板も無事可動しました)。  

 

職人「の.jpg

お客様より、新婚当初に購入した思い入れのある製品で、約35年ほど使い続けて今回初めて修理の

依頼をされたのだそうです。  

電話台という名称の製品も絶滅危惧種的なもので、現在このような造りこみの商品は市場にもなかなか

無いものですし今回はそうした背景もあり、いつも以上に気持ちを込めて修理させて頂きました。

ありがとうございました。 

 

■今回の修理代金は、

 作業代 ¥9,000(税別)

 

 

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