こんにちは・・・・中部メンテナンスセンターです。
今回は、ロココ調ダイニングテーブルの天板ムキトリ再塗装修理をご紹介します。
こちらの修理は工程が多いため前編・後編と2回に分けてご案内させていただきます。
お預かりした製品は、当社ハイグレードブランド「ドマーニ ルイXVコレクション」の
ダイニングテーブルです。このテーブルは天板面がウォールナット材の突板張りで、
塗装はラッカー塗料が使用されています。
突板仕様のテーブルは天板面の劣化などにより修理が行えない場合がある為、
画像や得た情報を吟味し修理の可否判断をするのですが、頂いた画像から
天板面に大きな欠損箇所が無い事や、製品の生産量が非常に少なく大変貴重な品
という事も有り、かなり難航する修理になると思いますが実施させて頂く事に致しました。
お預かり致しましたドマーニ・ルイ「DLR510WF」ダイニングテーブルです。
先ずは、実際に製品の状態を確認しながら修理の手順などを検討していきます。
予め画像で見た時の印象と同様で大きなダメージを受けた箇所は無く、全体的な
コンディションも良いように思われます。しかし、細部を確認してみると突板の割れや
框(かまち)部位に傷みが有りました。削れや凹みなど至るところに付いています。
本体の傷み具合を内容ごとにチェックし、それに伴う修理手法や段取り等を進めていきます。
(※突板の割れは再塗装で修復する事が出来ない為、別途見積補修が必要となります。)
先ずは、脚部と天板部の取り外しを行い、框部分のムキトリから始めます。
溶剤を使い、塗膜を溶かしながらスチールウールで中塗りの塗膜の層まで剥がします。
このテーブルは上塗りがラッカー仕上げの為、溶解させながら塗膜を剥がして
いく事が出来ます。
剥がしてみると凹みが多数あることが確認できます 。
この程度の凹凸は220番のペーパーで研磨して平滑にします。
凹凸やキズの無い部分は、より目が細かい320番のペーパーで平滑に調整します。
次に、天板表面のムキトリ作業を行います。
ストロークサンダーを使用してムキトリ作業を行います 。
突板材は0.数ミリしか厚みがありませんので慎重に塗膜を削っていきます。
上塗、中下塗の層を確認しながら、サンドペーパーを120番、150番、180番と
徐々に目の細かいものに替えてムキトリ作業を進めていきます。
塗膜が全て剥がれたら、220番のペーパーで研磨して調整を行います。
調整完了後、塗装の事前準備である養生作業(作業箇所の周囲を保護する事)をします。
まずは、框部分の養生作業を行います。框部分はすべて養生テープを貼り付けていきます。
これで前半のムキトリ調整は完了です。
以上、【前編】の終了です。
次回【後編】は、塗装編として修理完成までの流れを紹介をさせていただきます。
有難うございました。