2017年11月の記事

こんにちは・・・・東京北営業所のメンテナンス課からの紹介です。

 

今回の修理は、食堂椅子の再接着(締め直し)修理です。

かなり古い製品のようで社内の商品データに情報が無く、古いカタログを
探して調べたところ、昭和47年(1972年)発刊のカタログに掲載されて
いました(
掲載ページ画像)。カリモクのオールドモデルの中でも、
現存する数はかなり少ないと思われる大変貴重なものです。
 

お預かりいたしました製品画像です。4脚お預かりしました。

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木部の接合部の多くに緩みが発生していましたが、大事にお取扱いされていたようで、

 

木部に割れや深い傷などは無く、品質的には良好なコンディションを保っていました。

そのため、傷や塗装ハゲにより補色補修などは行わず、緩んだ部分にエポキシ系接着剤で

しっかり圧締をする再接着修理のみ行うことにしました。

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本体に傷が付かないよう、ゴムハンマー等でたたいてすべての接合部を 

分解した後、ダボやダボ孔の接着剤の塊りなどをきれいに取り除きます。

そしてエポキシ接着剤を塗布してハタガネで圧着します。
 

接合部はすべてダボ接合という、木栓をダボ孔に差し込んで接合する 

接合形式でした。現在の当社食堂椅子製品にはあまり使われていないものです。
 
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分解の際は、ダボが割れないよう注意が必要です。

割れたダボはそのまま穴に残る為、取り除くのにかなり手間がかかる為です。

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お預かりした椅子4脚しっかり接着できました。

今回は大変貴重な椅子を修理させて頂きました。

これからもご愛顧ください。
 

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今回の修理費用は
作業代(再接着締め直し修理) ¥5,200×4脚 
合計¥20,800(税別)
往復運賃 ¥6,000(税別)
合計¥26,800(税別)

※2017年11月当時の価格となります。

こんにちは、今回は東京都羽村市の多摩営業所からのご紹介です。

 

内容は、ドマーニブランドの「クイーンズライフ」シリーズの食堂椅子6脚のシートを

張り替える修理です。
 

≪カタログが画像より≫
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布張り仕様のものは、通常布張りで張り替えますが、ドマーニブランドでは、

元々のモデルとして布仕様と革仕様を両方を発売しており、今回はお客様のご要望で

革張りに張り替えをさせて頂くことになりました。

 

張り素材が全く異なる為、布と革では縫製の仕方、厚み、伸縮性等々異なる部分が多く、

通常よりも難しい作業となりそうです。

 

まずは、(左)張り替え前と(右)張り替え後の画像から。


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張り替え前の品は、お客様が大事に約20年ほどお使い頂いていたという事もあり、

木部の色艶はとても状態が良いのですが、シート部分は型崩れが起きた状態でした。

画像右側の本革に張り替えた状態ですが、素材が本革に替わった事で印象が大きく

変って高級感が増した感じになりました。

 
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左の画像は、シート部張り替え作業中の状態です。
張地は綺麗でしたが布地を剝がしてみると、中のウレタンクッション材は
変形して弾力も乏しくなった状態です。

 
こうなると新しいクッション材に変えるしかありませんので、一台ずつ丁寧に
既存のクッション材を手で剝がしていきます。

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クッション材を新しく変えた状態です。弾力も形ももどり綺麗な姿となりました。
その後、画像右側のような「テトロン綿」をシート全面に均等に載せます。
これにより、表面のふっくら感とふかふかな手触り感が増します。
これで中身の修理は完了。革に張り替える準備ができました。
 

 
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画像は牛革のシート縫製品パーツで、この状態で工場から入荷されてきます。
布と違い厚みが有り、手に持つと重量感もあります。
 
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縫製品は修理が完了したシートの上に形を整えていきながら画像のように仮装着して、
タッカー工具で張りつけていきます。
この作業時に通常の布素材をイメージして張付けていくとマズイので、今回の修理で一番気を
使って行ったところです。
 

張り替え後シートを本体に取り付け、最後に底張りを張って完成です。

 
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張り替え完了後のアームチェアとアームレスチェアです。
黒革がシックで落ち着きのあるデザインと塗装色にもよく合っていました。
 

 
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 布張りとは違い本革は厚みがある為、左右角の部分の処置
(面形状や玉縁の整え方など)が難しく慎重に張りつけていきました。
また、今回は布から革に変える為、張る際に面形状が異ならないよう、
6脚を均等に仕上げるのに気をつけました。
 
 

■今回の修理費用は
シート本革張り替え(部品代+作業代)¥35,600(税別)6脚=¥213,600

お預かりお届け往復運賃¥9,000(税別)

※2017年11月当時の価格になります。




こんにちは、神奈川県横浜営業所からのご紹介です

 

内容は食堂椅子の脚を20mm(2cm)カットしてほしいというご依頼です。

通常は、製品を一旦お預かりして作業場で対処する場合が多いのですが、

今回はお預かりではなく、メンテナンスカーを使い現地で作業する事と致しました。

 
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メンテナンスカーには、大まかな修理用工具一式とコンプレッサーなどを
常備しており、移動機能を備えた作業場といえます。今回はお客様の自宅で
作業すると切り粉で部屋を汚す可能性がありますのでメンテナンスカーの
車内で作業
を行ないます
 
 

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対象の椅子は、品番CD4015合皮モデルという製品でプレーンな
デザインが特徴。脚部は円柱形状で、下部に行くほど若干「ハ」の字
のように末広がりなと脚配置となっている為、電動ノコギリでは
対処できません。
 
その為、手でノコギリを使いカットいたします。

 
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作業手順は、

① 毛引き(カットの長さの印をつける道具)でカット予定の脚の下から

  20mmのところに目印となる線をつけます。

② 付けた線が自分が見えやすいようにマスキングテープを貼ります。
 
 
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③ノコギリでカットしていきます。

 注意点は、まっすぐなるようにマスキングテープに沿って切ります。

 一台につき4本の脚を切るのと失敗は許されないので、かなり集中力を

 要します。
 

④カットした後は、必ず水平調整してガタツキがないようにガラス板の上に

 乗せて確認します。

 一発でガタツキも無く切れた時はすごく嬉しくなります。

 ちなみに、ガタツキがあった場合はペーパー等で研磨

 しながら調整を行っていきます。

 
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最後に切り口が欠けないように面取りをして、脚の裏にフェルトを貼って

お客様宅に戻します。

 
 
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食堂セットはほぼ毎日使われる、無いと大変困る家具の一つです。

出来る限り現場で作業して、お客様に椅子の無い不便な生活が避けられたらいいな、という思いで

ご対応させて頂きました。
 
 
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■今回の修理費用は

脚カット代¥5,200(税別)出張費¥3,000(税別)

合計8,200円(税別)

※2017年11月当時の価格になります。





こんにちは、今回は東京南営業所のメンテナンス課からの紹介です。

お預かりしましたダイニングチェアは、ドマーニブランド「モーガントン」シリーズ
CHA355のモデルです。約20年ほどお使い頂いています。
 

背もたれ籐の張替え修理のご依頼もいただくことがあるダイニングチェアでシリーズの
人気製品です。このモデルとして2014年まで発売していました。

今回は、ぐらつきの再接着という事で、修理を承りました。

 
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拝見しましたところ、前桟と前脚の繋ぎ目のホゾの木材が折れていて少々重症のようです。 
 
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接合部の接着が切れて見えていますので、外せるところは外して作業します

接合部を丁寧にバラしていきます。



 
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前桟と前脚はやはりホゾが折れてホゾ穴の中にそのまましっかり残っている状態です。
 
今回の修理では新しい部材脚や前桟を新規に作成するのではなく、現状の材料で工夫して
接着をしていきます。
 

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電気ドリルで双方に直径10ミリの穴を2箇所同じ場所に合わさるように開けます。
 
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あけた穴の2箇所にダボを指して接着していきます。あけた穴の位置が合わないとダボが
うまく入らなかったり仕上がりも綺麗に上がらない原因にもなってしまいますので、
最も正確な作業精度が求められるところです。
  

組付け接着後は、今回ベルトをを使用して接合部に圧力を加えて均等に締め付けていきます。
水平取りをしてがたつきに注意しながら実施していきます。
 
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穴位置にずれもなく、問題なく接着できそうです。
このような接着をすることで椅子に掛かる体重をしっかり支えることが出来るのは
もちろんですが、現状の材料を生かすことによって椅子部材との色合いの変化も
無く修理前と同じように使っていただけるというメリットがあります。

■今回の修理価格は
再接着修理1脚、¥6,500(税別)
運搬費用往復で¥5,000(税別)になります。
※2017年11月当時の価格になります。

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