こんにちは、本社メンテナンスセンターです。
今回は、張り布によって椅子のイメージが大きく
変わることを改めて実感した張替え修理の事例です。
また、張替えは、高度な技術を要する作業になります。
製品は、「グロリーライフシリーズ」のハイバックチェア
WPB507モデルです。
ドマーニブランドの中でも古典様式を守り、独特の流れる
ようなひねりを加えたアームの曲線がきれいな椅子です。
背もたれの高さが106センチもある存在感のある
ハイバックチェアです。
約15年ぐらいお使いいただいており、張替え前の張地は
人工スエードの茶色系です。落ち着いた無地ですので、
木部との色バランスが良く洗練されたシックな感じです。
シート座面は、置きクッションタイプですので、まずそれを外し、
背もたれの裏から剥がし作業が始まります。
流れるような曲線の木部に沿って、丁寧に張込み
された部分を根気よく剥がしていきます。
剥がし作業終了後、新しいウレタンにすべて交換し、
いよいよ今回依頼をいただいた布地を張り込む作業です。
飾木に傷を付けないよう最大の注意をはかり張込み作業が
行われていきます。木部と張地の境目の玉縁の間に
ピンタッカーを打ち込み少しづつ張り上げていきます。
背もたれから両アーム内側への曲面にたいして、無駄な
皺が入らないように、ピンと張り上げていきます。
最初に外して、別に張り替えた座面シートを設置して完成です。
柄合わせは、モタレから座面に、座面から前下まで
狂いなくピッタリと縦ストライプがきれいに合っています。 この張込み技術が、クラシックチェアの仕上がりには、無くては ならないものです。
シックで落ち着いた無地調から、フォーマルなイメージの伝統的な
ストライプ生地で張り上がり、少し華やかではっきりとした古典的な
雰囲気を十分醸しだした椅子に蘇りました。
◆費用は、ストライプ生地の「ノブレッセブルーグレーA954」での
総張替えで¥111,672(税込み)になります。【別途運賃が必要となります。】
◆価格は2014年5月当時のものになります。