2014年5月の記事

こんにちは、本社メンテナンスセンターです。

今回は、張り布によって椅子のイメージが大きく
変わることを改めて実感した張替え修理の事例です。
また、張替えは、高度な技術を要する作業になります。

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製品は、「グロリーライフシリーズ」のハイバックチェア
WPB507モデルです。
ドマーニブランドの中でも古典様式を守り、独特の流れる
ようなひねりを加えたアームの曲線がきれいな椅子です。
背もたれの高さが106センチもある存在感のある
ハイバックチェアです。

約15年ぐらいお使いいただいており、張替え前の張地は
人工スエードの茶色系です。落ち着いた無地ですので、
木部との色バランスが良く洗練されたシックな感じです。

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シート座面は、置きクッションタイプですので、まずそれを外し、
背もたれの裏から剥がし作業が始まります。

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流れるような曲線の木部に沿って、丁寧に張込み
された部分を根気よく剥がしていきます。

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剥がし作業終了後、新しいウレタンにすべて交換し、
いよいよ今回依頼をいただいた布地を張り込む作業です。
飾木に傷を付けないよう最大の注意をはかり張込み作業が
行われていきます。木部と張地の境目の玉縁の間に
ピンタッカーを打ち込み少しづつ張り上げていきます。

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背もたれから両アーム内側への曲面にたいして、無駄な
皺が入らないように、ピンと張り上げていきます。

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最初に外して、別に張り替えた座面シートを設置して完成です。

柄合わせは、モタレから座面に、座面から前下まで
狂いなくピッタリと縦ストライプがきれいに合っています。                                    この張込み技術が、クラシックチェアの仕上がりには、無くては                                ならないものです。

シックで落ち着いた無地調から、フォーマルなイメージの伝統的な
ストライプ生地で張り上がり、少し華やかではっきりとした古典的な
雰囲気を十分醸しだした椅子に蘇りました。

◆費用は、ストライプ生地の「ノブレッセブルーグレーA954」での
総張替えで¥111,672(税込み)になります。【別途運賃が必要となります。】
◆価格は2014年5月現在のものになります。

こんにちは、関西メンテナンスセンターです。

今回は、背もたれが折れてしまった椅子の修復修理の紹介をします。

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約20年ぐらいお使いの弊社ダイニングチェアをお預りしました。
1990年~1993年ぐらいまで作られていたモデルで
CS2850KWという品番の製品です。
背もたれのフィンガージョイント接合の部分が経年により外れています。

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接合部の真中に木製ダボが使われていますので、これも再生すれば
背もたれ強度はじゅうぶん保つことが出来るはずです。
フィンガージョイント呼ばれているのは、断面図が指先と指先を合わせた
ような接合面になるためそう呼ばれています。

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ミゾ部分の中を確認してみると、接着剤が不規則に残っているため、
このままでは密着させることができません。
ミゾの深い部分は、鋸先をうまく使って接着剤を取り除いていきます。

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ハタガネ固定で接着です。完全硬化まで約一日かかります。

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接着部のアップです。直径30ミリぐらいに細めの桟のため、
より強度を得るためエポキシ系の接着剤を使用して接合しました。
接合面の段差や隙間がまだ明らかに見えます。

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隙間の部分には、粉末状にした木の粉と瞬間接着剤を使って埋めていきます。
接着剤が硬化して少々盛り上がるぐらいになりますが、
表面を金属ヤスリで丁寧に削っていき平滑にしていきます。


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そして、塗装仕上げです。出来るだけ違和感のないように
周辺との色合わせや艶を合わせていきます。
左右アームにすぐ上が接合部分ですが、ほとんど
目立たなく仕上げっています。

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最後に張地を張り込んで、
背もたれ折れの修復修理完了です。

◆費用につきましては、再接着修理(一部塗装含む)で@¥8424(税込み)と
一旦背もたれを剥がして再度張込みをいたしましたので@¥7020(税込み)
が追加で必要になります。【別途運賃が必要となります。】

◆価格は2014年5月現在のものになります。