2019年12月の記事

こんにちは・・・・西宮営業所メンテナンス課からのご紹介です。

今回は、布張りソファーの張替え修理をご紹介します。

 

お預かりしました椅子の状態は、座面シート側面が左右とも張地が破れて、
ウレタンクッションが見えてしまっています。 また、クッション自体も
ヘタリがきており、椅子張地の外観も弱々しい印象となってしまっていました。
 
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今回のモデルは、背モタレ部は2個一組の置きクッション仕様。

座面シート部は木のフレームにネジ固定された張込み仕様となっています。
 

背モタレクッションは工場より完成品で予め新規手配が出来ますが、

座面シート部はすべて剥がして新しいものに張り替える修理となります。

 

今回は張替えに伴い、張地のカラーも変わりますので

修理完了後、雰囲気がどう変わるのか楽しみです。
 
 
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まず、座面シートの一体部分をフレームから外して、張地をすべて剥がしました。

張地を剥がすと内部のウレタンクッションはかなり劣化していました。

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ベースとなるウレタンと、バネ材が内蔵されているウレタンを分離したところです。

 
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このシートはポケットコイルバネが内蔵されており、バネの一つ一つを袋に包みこんで

独立させ、着座の際に体圧が分散され身体に負荷がかかりにくいものになっています。

 
 

新しいウレタンに緩衝材の「テトロン綿」を均等に広げ装着していきます。

次に、張替え用の表張地縫製品を用意します。

 
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用意した縫製品の裏側中央部にはひもが付けて有り、専用の工具を使ってひもを

ウレタンクッションの中央部で差し込んで裏まで貫通させておきます。

 
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縫製品には張り位置を示したカットがされており、フレーム部の目印に合わせながら
全体にかぶせ、
位置が整ったらタッカー工具で張り付けていきます。

 
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次に、貫通させておいたひもを仮結びしたリボンで引っ張りながら、シート表面の
くぼみ具合を
調整していきます。完成イメージとしては・・・

「■イメージ①」のような仕上げになります。

 
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最後にシーの裏張りを張り込んでいきます。座面シートとフレームは「案内ダボ」を介して
ネジで取り付ける為、前後左右の位置ズレは起こりません。

 
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シートの取付も完了。モタレ完成品も添えて修理作業は完了しました!

 
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シンプルな形のシートだったので、力まずに素直に張り込むことを心掛け作業を進めました。

ウレタンクッションを交換した事で、シンプルですっきりとした和風のたたずまいが復活しました。

張地の色も変わり、新たなイメージに生まれ変わった感じがします。

ありがとうございました!
 

■今回の修理費用は

  座面シート縫製パーツ一式     ¥41,500

  座面シート張替え工賃        ¥17,600

  背モタレクッションの完成品     ¥43,300

  合計 102,400円(税別)

  201912月現在価格になります。



 



こんにちは、福岡営業所メンテナンス課です。
 

今回は、当社「お客様相談室」のインターネット修理見積りにお申し込みを頂き、

3年前の熊本地震の際に姿見が壁から落下し倒れ、鏡周辺の木枠部分が折れて外れて
しまっているが修理は可能でしょうか? というお問い合わせ内容でした。 

 

送付いただきました画像を確認しましたが破損状況や、この製品の修理事例も無い事など

から、実物の状態を拝見して修理が可能なのか判断をする事となりました。

 
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ご訪問して実物を確認したところ、鏡と木部の境目部分が激しく壊れており、表面は木材の

一部が欠損してしまっています。

無垢材を多く使った構造体の為、各部材はそれなりに重く、折れた箇所は接着修理レベルで

形が保てるか不安です。

 

欠損した部分】【は木の厚みが薄い箇所に長い幅で発生しており、復元補修はかなり
困難な感じがします。

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今回、お客様のお気持ちに察するところも有り、その場でお預かりして修理を行う判断を

取らせて頂きました。

本体と無垢木部分は専用の金具で組付固定されており、一部を除き金具に破損は無く

そのまま元に戻せる状態でした。
 

鏡も目立つヒビや割れも無く、また、接着固定ではなくハメ込み式となっていたので簡単に

外すことが出来ました。
 
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本体下部の割れた部分は部材が無垢のため重く、画像のように台に乗せると
折れ曲がってしまいます。

割れ目に接着剤を塗布するだけでは形を保てないと判断し、合板に加工を施して
裏面に接着固定する手段を取りました。

 

合板材を適度な大きさにカット。

既存の固定金具を差し込む孔位置に合わせて、孔加工も施しました。

裏面は見えない場所ですが、同系色に塗装を施し接着固定します。

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壁に設置した際に、横から合板材が見えないよう工夫して
両サイドは斜めにカットしました。
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長い幅で木部が欠損している部分は、幅5ミリ、厚み3ミリ、長さ70センチ程の
無垢材料を探して使用。 パテ、瞬間接着剤などを使用して造形補修しました。

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一連の作業に加え、本体全体に空砥ぎ後補色補修とウレタンフラット塗装を施し、
色艶感を補正しました。

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接着剤が固着したのを確認後組付け、鏡を磨くなどの清掃を行い完了しました。
 

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■今回の修理修理費用

木部破損修理/補色フラット塗装修理

¥22,500  出張費¥5000

計 ¥27,500(税別価格)

2019年12月現在価格になります。

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お客様より、この姿見はご結婚の記念にと購入された大切な品との事でした。熊本地震で

ほとんどの家具が壊れて破棄をされた中、この姿見だけはどうしても捨てらず震災から

3年間壊れたまま保管されていたとの事。

お客様のお気持ちになんとかお応えしたいという気持ちと、販売期間が2年と短く
出会う機会の少ないを修理させて頂ける良い機会を頂けたと思い、
修理をさせて頂きました。

ありがとうございました。