職人の技術の最近の記事

こんにちは、神戸営業所メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、食堂テーブルの脚ぐらつき修理です。                        

 

修理依頼品は一本脚仕様の丸型テーブル(品番:DC4001JK コロニアルシリーズ)です。

支柱を支える4本の桟が緩み、テーブル本体が不安定な状況になっていたそうで、

お預かり時、一本の桟は完全にダボ(部材同士をつなぎ合わせる際に差し込まれた

木製小片)折れていました。 

1-9訂正版.jpg 1-10訂正版.jpg

 

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1-8訂正版.jpgのサムネイル画像
修理は、まず残ったダボ材の除去から始めます。

①残ったダボ材をドリル等で粉砕しながら抜き取ります。

②穴の内径が拡がらないよう丁寧にあけ直しを行うと同時に、深さも考慮しながら

 作業します。

③新しいダボ材に接着剤を塗布して打ち込みます。 

   

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支柱と桟にエポキシ系接着剤を塗布して、「旗がね」工具で圧着します。

乾燥固着に約1日置いたのち、取り外しておいた補強金具を元の通りに取り付けて

完了です。

 

2021.2.4_13職人のひと言.jpgのサムネイル画像  

一見するとダボが折れ、桟もぐらつき外れそうになっていたりと、修復が

大変なことと思われるかもしれませんが、 我々作業者からすると難しい

修理ではありません。 

しっかりと修理すれば、まだまだ末永くご愛用できます。

今回修理のご要請をいただきありがとうございました!

 

修理代は

修理技術料金  ¥3,850

預り料金      ¥5,500

合計          ¥9,350(税込み)

※2022年8月現在価格です


こんにちは、多摩営業所メンテナンス課です。

 

今回ご紹介する修理は、椅子フレーム傷補修と革張りシート交換修理です。

 

修理依頼品は、品番CS3115WBというモデルで製造ロットが0010月の刻印があり、

ご購入後約20年程使用されているものでした。

今回お引越しをきっかけに、椅子のリフォームと修理が出来ないか当社お客様相談室へ

お問い合わせ頂きご対処させて頂く事となりました。

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修理内容については、飼っているワンちゃんが脚部分をかじってしまい

傷が付いてしまったものを直して欲しいというもの。

 

後日修理工房に入荷されてきた椅子の状態を確認したところ、かじり取られ

表面に凹み傷が多数付いている状態でした。

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この椅子の塗装仕様は艶消し黒色で、材料はブナを使っているのですが

表面に木目柄が出ていない仕上げとなっており、充填剤(パテ)による

凹み傷の整形処置、および加色再塗装で噛み傷痕を消す修理方法で行う

事に致しました。

※木目柄を活かした仕上げで同様の修理を行う場合傷痕は残ります。

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①深い傷は木工用パテⒶを盛ります。 浅い傷や牙による深い穴状の傷にはⒷ黒色パテを

  塗布し平滑にしていきます。

②パテ類の乾燥後、ざっと全体をペーパーで研磨平滑にします。

③平滑整形処置後、スプレーによる黒色加色、フラット剤での艶合わせで仕上げます。

  

また、モタレ部分にも軽くペーパー(#400)を当て、フラット剤塗布で艶調整を施しました。

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修理後の脚周りです。ご覧のように噛み傷や凹みが消え、奇麗に復元出来ました。

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今回シートは工場にて製作された完成品での対応が出来ました。 あとはボルトで

固定してすべての作業が完了しました!

革色はグレー色をチョイスされ、モダンな印象に変わりました。

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動物による噛み傷痕は、かじり痕による凹みや牙による穴状の傷、広い範囲に

浅く付く傷など損傷状態が多種な為、修理方法や用材の選択にかなり神経を

使いましたがベストを尽くし対処させて頂きました。

 

ありがとうございました。

 

■今回の修理費用は、 

シートパーツ・取付工賃 115,200円(19,200×6脚)

脚傷補修工賃 60,000円(10,000×6脚)

配送代 15,000

合計190,200円(税別)

2021年3月現在価格になります。

こんにちは、カリモク家具中部メンテナンス課です。

 

今回の修理依頼品は、サンドブラストフィニッシュ、グレージングハイライティング

塗装などを施し、古くから使い込まれた風合いを表現した38年前(昭和57年)の

木肘椅子です。

修理内容は椅子本体の再塗装とシート交換となりますが、今回は塗装修理について

ご紹介致します。

 

入荷された椅子の状態を見ますと長年の使用による経年劣化で傷んでいますが、

割れや欠損などの大きな損傷もなく上々のコンディションを保っており、日頃より

大切に使って頂いていた事が想像できます。

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しかし、当初補色と上塗り剤(フラット)による再塗装修理を予定しておりましたが、

依頼品の椅子は塗膜が剝がれ落ちるほどの状態となっていた為、ムキトリ再塗装

修理に変更する必要性が生じました。

 

ムキトリ再塗装修理は、木部表面を削って既存の塗膜を除去してから塗装作業を行う為、

修理期間が長くなってしまうのと、「サンドブラストフィニッシュ」仕上げの風合いが無く

なってしまう事をお客様にお伝えして、ご了承を得ての作業開始となりました。

 

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ムキトリ作業は、目の粗さが違う#150番と#220番のサンドペーパー(紙ヤスリ)を

使い分け、キズなどを確認しながらアンティーク観を残しつつ仕上りをイメージし、

慎重に手作業で全体をムキトリながら調整していきます。

 

212404.jpg

ムキトリ調整後、①~④の各塗装工程を行い仕上げていきます。

塗装修理も工場での生産時に行う塗装作業とほぼ同じ工程手順で行ないますが、

同じ職人が1人ですべての工程作業を行っていきます。

 

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ムキトリ再塗装修理完了後、新しくなったシートを取り付けてすべての修理が

完了しました!

 

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サンドブラストフィニッシュの風合いは無くなってしまいましたが、古風な風合いを

残しつつ自分の想像以上に綺麗に塗装出来ました。

これもまた大切に使って頂いていたからこそだと思います。

 

長年にわたって大切に使って頂いた椅子の修理に携われて嬉しく思います。

ありがとうございました。

 

■今回の修理費用は、

木部補色フラット塗布代(18,000×4台)

シート張替え代(13,800×4台)

預かり、配送代10,000

合計137,200円(税別)

2021年2月現在価格になります。

こんにちは・・・・横浜営業所のメンテナンス課です。

昨年7月、長椅子の張替え修理を頂いたお客様より、椅子のモタレに施してある彫りの

一部が欠けてしまったという事で、修復する事が出来ないかご相談を頂きました。

 

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欠けた場所はモタレ中央部の彫刻部分で、欠損した破片は無くなってしまったそうです。

しかし、欠損部は比較的小さいのと、残っている木部をベースに「パテ」などの充填材を

使えば、造形の修復は可能と判断。 また、一旦預かって工房で修理を行うと運搬に

伴う費用や日数も要する為、現場で修理を行う事にしました。

 

但し、欠損部分はモタレ中央の一番目立つ場所である事や、装飾部はすべて手彫りに

よるもので、欠けた部位の木の厚みは薄く、きれいに仕上げる為には高い修復技術が

要求されます。

 

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* 今回の修理依頼品は、木部の曲線が魅力的な(品番:UP8803 販売終了)ネオクラシックシリーズの

長椅子です。カブリオール(猫脚)といわれる伝統家具様式を精密に再現した脚部。彫刻部の凹みには

グレージング、凸部にはハイライティング塗装が施してあり、クラシカルで優雅な仕上げが印象的です。

当時は金華山織りの他、本革張り仕様のモデルも用意されていました。

  

 

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↑エポキシパテを適当な量で充填    ↑粗削り、調整

 

現地での修理は、お客様の時間を束縛してしまう事と修理作業上ある程度の

制限が出る為、その時の状況を十分理解した上でベストな修理方法を思案し

選択しなければなりません。

 

今回は速乾タイプの「エポキシパテ」を充填材に使用します。 

これは粘土のように盛り付けが出来るのと硬化が早い為、短時間で造形作業に

取り掛かる事が出来ます。

 

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↑ペーパーで丁寧に研磨し曲面を造形  ↑ラッカー塗料による補色、艶合わせ。

 

彫刻は手彫りの為、きれいになりすぎないよう刃物で彫ったような表面感を

出す感じで研磨していきます。 塗装は筆による補色でグレージング、ハイ

ライティングを施します。

 

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最後に艶合わせのフラット剤を塗布して完了です!

所要時間は約60分ほどで完了しました。

 

 

今回の修理代金

修復工賃¥6,300  現地出張費¥5,000  

合計¥11,300(税抜き) 

2021年1月現在価格

 

 

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今回はお客様の貴重なお時間を頂く事となりましたが、現地での修理を選択して

使用する資材、作業方法、所要時間など、イメージ通りに行わせて頂く事ができました。

ありがとうございました!

こんにちは・・・・中部メンテナンスセンターです。

今回は、ロココ調ダイニングテーブル、天板ムキトリ再塗装修理「後編」のご紹介です。
 

先回は木地をペーパーで研磨、調整を施した後、框(かまち)部分に養生を施すところ
までをご紹介しました。
 
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いよいよここから塗装工程に入ります。

先ずは、突板部分に着色目止めを行います。
目止めとは、塗料材が綺麗に均質に着色できるようにする為の下地処理です。

 
木の表面は水分の通り道である「導管」や「細胞間隔」など無数の穴状のものがあり、
そのままの状態で塗料を付着させても、その穴から内部へと浸透してしまう為、
きれいな塗面が作れません。 

 
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スプレーガンで塗料を塗布しワイピング(拭き取り)を行います。 

塗料は目止剤の他、着色剤も配合してあり、木目に摺り込むようにして
作業を行います。

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しっかりと塗料が摺り込むと、このように木目が浮き立つような感じに着色できます。


 

次に框の養生テープを剥がして着色を行います。
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框(かまち)部分と天板の突板部分では樹種が違うので色差が出ます。
これを補正するように赤みのある着色剤に変えて塗布します。
◆(框部分に養生を施した理由は、この工程を行う事にあります。)
また、凹凸や削れの補修で白くなってしまったところもこの工程で補正を行います。
 

 

次に、「サンディングシーラー」による下塗り、中空研ぎ工程を行います。
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「サンディングシーラー」とは塗装の下塗り用材で、これも吸収性が良い木材に
塗料が吸い込みすぎないように施すものです。乾燥後、表面を研磨して調整する事で
仕上げの塗料を美しくかつ密着を良くする役割を持つものです。

 

薄く塗布することで木地の毛羽を立ち上げて硬化することができます。

その状態から研磨すると、より滑らかな下地づくりが行えます

 

次に中塗工程に移ります。
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少し乾いてサンディングシーラーが沈んだところで再度塗布する、という事を繰り返します。
目安として、木の導管部分が埋まり塗面が平滑な仕上がりになるまで行います。
その為、塗布する量と乾いた状態を見極めながら進めていかなければなりません。

 

 

サンディングシーラー 2回目塗布
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ひと晩乾燥させて完全に塗料が沈んだ状態です。

導管も埋まり、きれいなクローズ状態に仕上がりました。

これで中塗工程は完了です。

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次に空研ぎの作業に移ります
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天板部は320番400番のペーパー以外に、スチールウールを使用して
平滑作業を行います。のちのグレージング(ぼかし)を行う塗装に備え、
より平滑に空研ぎが施されていないと拭き取りムラが残ってしまうので
気が抜けません。


 

次に「刷毛目跡」(はけめあと)が残る風合いを出す作業です。
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グレージング塗料を拭き付け、ウエスで若干荒く拭き取ったあと、
刷毛を使って埃を払ったかのような跡を付ける作業を行います。
このような「刷毛目跡」が残るような風合いを出す為、塗料の乾くタイミングを
計りながら慎重に実施する必要があります。
 

 

グレージング後にハイライトぼかしを行います。 
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ハイライトぼかしは、框の凸部分をスチールウールでうすく剥がすことで
アンチークな風合を創り出します。

 

次に全体を補色して色調を整えていきます。
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また、補色の際に天板の框周辺はボカシ塗装を施しています
最後に光沢度が低めの消しの上塗り塗装を行い、すべての修理工程が

完了致しました。
 

天板部と脚部を組み付けて完成です
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突板仕様の天板ムキトリ再塗装修理は、突板の厚みが薄いため、1回が限界です。 

そのため細部の注意を払いながら慎重に作業をする必要があります。
 

尚、今回の修理依頼品は仕上げも特殊で、クオリティの高い修復技術が求められる

ものでしたが最善を尽くし取り組ませて頂きました。

ありがとうございました。

 

■今回の修理費用は

作業代¥67,500+お預かり費用往復運賃¥9,000

=合計¥76,500(税込別価格)

2020月現在価格になります。




こんにちは・・・・金沢シーョールーム 修理工房からの紹介です。
 
今回は、15年以上お使いの民芸デザインタイプのワゴン(AF6000ME)の
車輪の再接着のメンテナンス事例の紹介です。
 
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永年のご使用により
車輪の軸の接合部分の接着ゆるみによりグラグラな状態になっていました。
 
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まず、車輪を本体からとりはずすために
軸受けの駒をとりはずします。

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次に、左右の車輪の軸部品から、車輪本体にはめ込み接着してある
中央部分の「金属パーツ」を分離させ木管の木製スポークをすべて
車輪から取外します。
 
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永年のご使用によりはめ込み接合部分の接着が
緩んでしまったのがぐらつきの原因となっていました。

はめこみ接合の木製車輪穴側と木管木製スポークの接着面に
エポキシ接着剤での最大強度が得られるように両面塗布をします。
 
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車輪中央部分の「金属パーツ」の軸受けにもエポキシ接着剤を塗布して
ぐらつき、緩み対策をします。
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はみだした接着剤は硬化する前にシンナーと刷毛やウエスを使ってきれいに
拭き取りをしておきます。
 
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以上で、仕上がりです。

エポキシ接着剤が完全に硬化するまで一晩おき、本体に取り付けし直して完成です。
車輪のふらつきも完全になくなりまた、購入時のときのような使い良さが復活しました。


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永くお使いいただいているにかかわらず、大きな傷や塗装の不具合等も認められず

大切にお使いいただいていることが一目でわかりました。今回は車輪の緩みを

再接着修修理させていただきましたので、また今迄どおりお使いいただけると思います。

ありがとうございました。
  
 

今回の修理費用は

■再接着締め直し修理 \5,200(税別)

運搬費用別途見積もりとなります。

※20184月現在価格

 


こんにちは・・・・横浜営業所のメンテナンスセンターです。
 

今回は、私たち職人が使用しているたくさんの道具の一部をクイズ形式でご紹介いたします。
 

では、早速ですが下の写真に写っている道具はどんな時に使う道具でしょうか?
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ヒントは、ご覧のような籐張り椅子の籐部分を張替える時に使う道具なのですが・・・・・・・
お分かりになりましたでしょうか?
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正解は、籐張替え修理の際に古くて破れてしまった籐を剥がす時に使う道具でした。
 
使い方は、まず剥がす籐のふちにカッターで切れ目を入れふちの籐芯を取り、
その中に打ってあるタッカーの針を一本一本丁寧に抜き古い籐を剥した後、
最後に溝の中の籐くずなどを綺麗に取り除く為に使用します。
16040303.jpg
 
 

実は、この剥しの作業が中々大変な作業で品物によっては作業時間が1台で
1時間以上かかってしまう物もあり そんな大変な作業にこの道具は大活躍してくれます。
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最後にこんな大活躍の道具ですが、もともとは六角レンチという別な用途で使う道具を自分で
持ち手を付け先を尖らせて加工して手作りした物なのです。
 
これからも私たち職人はこのような道具たちを使いお客様からお預かりした想い出深い大切な
家具をひとつひとつ丁寧に修理していきたいと思っています。
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こんにちは、横浜メンテナンスセンターです。
今回は、カリモクのドマーニブランド『クイーンズライフ』シリーズで
CPQ355A029モデルの座面の張替え修理の紹介です。

このモデルは、イギリスの『シェラトン様式』の伝統を継承した
ブリティッシュ・トラディショナルチェアーで、1996年に発売して以来
現在に至っております。
縦溝飾りと背もたれの様式に基づいた木工加工、そしてシートの鋲止めが
そのデザインの特徴をあらわしています。

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一度、張替えをされた椅子とのことでお預りをいたしましたが、
拝見するところ、木枠や構造などは、問題となるところは全くございません
でしたので、ご依頼の擦り切れの発生している座面の布地張替え修理を実施させて
いただきました。

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まず作業は、木枠に傷をつけないように「飾り鋲」を丁寧に外していきます。
そして布地とともにウレタンもすべて交換のために剥がしました。

その下の麻のヘッシャンクロスで覆われた連結コイルバネに変化はなく、問題は有りませんでした。
ただ周囲の「ゴム土手」を見てみると少し劣化により切れている箇所があるため、交換いたしました。

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張替え作業に使う材料は、ゴム土手・ウレタン・布地・連続鋲です。

最初に交換する「ゴム土手」をタッカーで止め、隙間部分にウレタンを載せて形状を作ります。
このシート形状の椅子は厚みの部分にマチを作らないので、ここでの形づくりがポイントになります。
2層構造のウレタンを接着剤でしっかり固定して、椅子の座面の形状になってきました。

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さていよいよ、難関の布地張込み作業です。ストライプ柄の布地は張り上がりの時に
線がまっすぐになるよう、且つ左右対称に張り上げなくてはなりません。均一な引っ張り
と注意深い止め付けが必要とされ、まさに腕の見せ所です。

布地がきれいに張れたら余分な部分をカットしてタッカー針が見えないように注意して
「連続鋲」をまっすぐに止めていきます。

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張替え作業の完了です。
◆費用は、布地の価格ランクによって変わりますが、
今回の張地ベルサイユストライプグリーン色ですと
1脚あたり税込み¥68,580になります。
【運搬費用別途必要となります。】
◆価格は2014年7月当時のものとなります。

これでまた、永くお使いいただけることと思います。
ありがとうございました。

こんにちは、本社メンテナンスセンターです。

今回は、張り布によって椅子のイメージが大きく
変わることを改めて実感した張替え修理の事例です。
また、張替えは、高度な技術を要する作業になります。

1405001.jpgのサムネール画像

製品は、「グロリーライフシリーズ」のハイバックチェア
WPB507モデルです。
ドマーニブランドの中でも古典様式を守り、独特の流れる
ようなひねりを加えたアームの曲線がきれいな椅子です。
背もたれの高さが106センチもある存在感のある
ハイバックチェアです。

約15年ぐらいお使いいただいており、張替え前の張地は
人工スエードの茶色系です。落ち着いた無地ですので、
木部との色バランスが良く洗練されたシックな感じです。

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シート座面は、置きクッションタイプですので、まずそれを外し、
背もたれの裏から剥がし作業が始まります。

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流れるような曲線の木部に沿って、丁寧に張込み
された部分を根気よく剥がしていきます。

1405004.jpgのサムネール画像

剥がし作業終了後、新しいウレタンにすべて交換し、
いよいよ今回依頼をいただいた布地を張り込む作業です。
飾木に傷を付けないよう最大の注意をはかり張込み作業が
行われていきます。木部と張地の境目の玉縁の間に
ピンタッカーを打ち込み少しづつ張り上げていきます。

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背もたれから両アーム内側への曲面にたいして、無駄な
皺が入らないように、ピンと張り上げていきます。

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最初に外して、別に張り替えた座面シートを設置して完成です。

柄合わせは、モタレから座面に、座面から前下まで
狂いなくピッタリと縦ストライプがきれいに合っています。                                    この張込み技術が、クラシックチェアの仕上がりには、無くては                                ならないものです。

シックで落ち着いた無地調から、フォーマルなイメージの伝統的な
ストライプ生地で張り上がり、少し華やかではっきりとした古典的な
雰囲気を十分醸しだした椅子に蘇りました。

◆費用は、ストライプ生地の「ノブレッセブルーグレーA954」での
総張替えで¥111,672(税込み)になります。【別途運賃が必要となります。】
◆価格は2014年5月当時のものになります。

こんにちは、本社メンテ ナンスセンターです。

今回は、本社メンテナンスセンターでの修理現場から、
30年弱大切にお使いいただいていますクラシックチェアの                             木部再塗装と張替え修理の紹介です。

画像の製品は、『ネオクラシックシリーズ』1981年ごろから
2001年まで発売していましたルイ16世スタイルのクラシックチェアです。
木枠の飾りは、伝統様式の縦溝入りのスタイルです。
張地の止め付は鋲止めの伝統を受け継いだ仕上げです。

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作業の始まりです。
まず古い張地やウレタンを丁寧にはがしていき
すべて取り除いています。椅子は、木枠だけにされていきます。

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座面に注目してみると、連結のコイルばねが使用されており、
ビクともしていませんでした。金属バネの耐久性に感心しました。

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張地をはがして、木枠だけになった椅子は、
全体の汚れ落とし、空研ぎが行われます。

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長年の間に付着した汚れや或は小傷は、サンドペーパーやスチールウールで擦って
馴らしていきます。全部の傷までは、すべて修復は難しいですが、「空研ぎ」に時間を
掛けることは、塗装前の重要な作業のため、丁寧にされていました。

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塗装修理の始まりです。埃の付着などがないよう、特別に区切られた
専用の塗装ブースに移動します。

塗装には、スプレーガンを使用して細かな霧状に塗布していきます。まず着色剤で
全体のバランスを見ながら色付けです。着色完了し乾燥された後、次にフラット塗装です。           下塗りをして仕上がり確認をしながら、乾燥させた後サンドペーパーで均一にならす為、           一旦空研ぎをし、さらにフラット塗装をします。最後に艶や仕上がりを調整しながら、              透明フラット塗料が、塗布されます。塗装の完了です。

塗装完了後、十分乾燥してから張り込み作業が始まります。

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まずウレタンの装着です。
専用の接着剤をスプレーガンで両面塗布し、
その表面を十分乾かしてから、椅子本体に接着します。

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いよいよ、新しい張地の張り込み作業です。

鋲止めの前に、全体を均等にエアータッカーで
仮り止めしていきます。バランスよく無駄な皺が
発生しないよう、ここでも非常に注意深く、張り込んで行きます。

そして、張込み作業として最大のポイントの鋲留めです。

140409.jpgのサムネール画像

5個連結一組の連続鋲を、ずれないように注意をはかり均等な力で
打ち込んでいきます。使い慣れた金槌でテンポよく打ち込まれ、
まさに職人技です。

背もたれの表裏、両アーム回り、シート面の下飾りすべてに鋲留めが
施され、クラシックチェア「ルイ16世スタイル」の塗装、張替修理の完了です。

◆修理費用は、木部再塗装修理¥17,820(税込み)シートモタレ全張替えは、
 張地によって変わりますが、鋲打ちを含み¥54,432(税込み)。
 その他ぐらつきが見つかった椅子は、再接着修理で¥5,616(税込み)が
 加わりました。
◆価格は2015年4月当時のものになります。


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2024年8月

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