こんにちは・・・・福岡営業所メンテナンス課からの紹介です。
福岡メンテナンス課は南九州(鹿児島拠点)エリアもカバーしており、今回は鹿児島
地区での再塗装修理です。スタッフは出張対応の為、滞在期間が限られている中で
の作業となりました。
製品は、品番TS4620LWという天板部にガラスを配したリビングテーブルです。
現在生産は終了しているモデルですが、ナラ材を使った直線に構成されたデザイン
にブロンズガラスを組み合わせ、品格が漂う当時人気の商品でした。
天板木部に塗膜がはがれているキズが多数発生している状態です。
塗装は「ウレタン塗装」仕上げといって、ポリウレタン樹脂を生成させる
塗膜で、木材を皮膜で覆ってしまう仕上げ方法です。
耐久性に優れており、お手入れも楽なものなのですが、この状態では
既存の塗膜を剥がし再塗装するしかキズは消せません。
そして、一部接合箇所に接着切れが発生していたので、このままの形では
きれいに再塗装作業が出来ないとの判断をしましたので、
ゴムハンマーなどを使って各パーツごとに分解する事にしました。
バラバラになりました。これで各パーツごとに塗装の作業が行なえます。
これより再塗装修理の作業となります。
通常新品での塗装工程は、「ムキトリ作業」~「木地調整」~「木地着色」~「下塗り」
~「中砥ぎ」~「中塗り」~「空砥ぎ」~「補色」~「上塗り」で仕上げます。
再塗装修理も基本的には同じ工程で進めていきますが、製品の状態によっては
工程数を増やすなどの適した判断を行い進めます。
①シンナー等で付着している汚れを取り除きます。
②電動サンダーを使い既存の塗膜を削り落とす「ムキトリ作業」を行います。
③サンダーで削った後、目が細かいペーパーで細かいキズなどを処理する
「木地調整」を行います。
主要部分のパーツがムキトリ完了しました。この時点で体力使って汗まみれな為、
④スプレーガンを使って「木地着色」作業を行い、ベースとなる色を着けていきます。
今回はこの個体の特性だと思いますが、色が薄くしか着かない状況でした。
⑤「サンディングシーラー」剤を塗布し、「下塗り~中砥ぎ~中塗り~空砥ぎ」工程を
行います。画像⑤は空砥ぎを行っている様子です。
シーラー剤は木地と塗料を密着させる役目と、研磨処理をして表面のデコボコを
補正する役目もあります。
⑥「補色」を行い、色合いを補正します。
今回は「木地着色」が薄くしか色が着かなかったので、補色は少々強めに
塗布しました。
⑦最後に「ウレタンフラット」剤で「上塗り」作業を実施し、すべての塗装工程が
完了しました。あとは乾燥するのを待つのですが、乾燥には約1日を要します。
完全に乾燥したら、バラバラになっていたパーツを元通りに組付けます。
各パーツのツヤにバラつきは無いようですね。
ブロンズガラス天板を設置して完了です!何とか鹿児島滞在期間中に
終えることができました!
修理のご依頼ありがとうございました。
■今回の修理費用は、
全体ムキトリ再塗装 ¥53,300(税別)
分解組付け再接着 ¥5,200(税別)
運搬費用(往復)¥5000(税別)
合計¥63,500(税別)になりました。
■以上、2016年10月当時の価格になります。