2016年10月の記事

こんにちは・・・・福岡営業メンテナンス課からの紹介です。

 

福岡メンテナンス課は南九州(鹿児島拠点)エリアもカバーしており、今回は鹿児島
地区での
再塗装修理です。スタッフは出張対応の為、滞在期間が限られている中で
の作業となりました。

 

製品は、品番TS4620LWという天板部にガラスを配したリビングテーブルです。

現在生産は終了しているモデルですが、ナラ材を使った直線に構成されたデザイン

ブロンズガラスを組み合わせ、品格が漂う当時人気の商品でした。
 

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天板木部に塗膜がはがれているキズが多数発生している状態です。

塗装は「ウレタン塗装」仕上げといって、ポリウレタン樹脂を生成させる

塗膜で、木材を皮膜で覆ってしまう仕上げ方法です。

 

耐久性に優れており、お手入れも楽なものなのですが、この状態では
既存の塗膜を剥がし再塗装するしかキズは消せません。
 

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そして、
一部接合箇所に接着切れが発生していたので、このままの形では
きれいに再塗装作業が出来ないとの判断をしましたので、

ゴムハンマーなどを使って各パーツごとに分解する事にしました。

 

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バラバラになりました。これで各パーツごとに塗装の作業が行なえます。
 

これより再塗装修理の作業となります。

通常新品での塗装工程は、「ムキトリ作業」~「木地調整」~「木地着色」~「下塗り」
~「中砥ぎ」~「中塗り」~「空砥ぎ」~「補色」~「上塗り」で仕上げます。
再塗装修理も基本的には同じ工程で進めていきますが、
製品の状態によっては
工程数を増やすなどの適した判断を行い進めます。


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①シンナー等で付着している汚れを取り除きます。
②電動サンダーを使い既存の塗膜を削り落とす「ムキトリ作業」を行います。
③サンダーで削った後、目が細かいペーパーで細かいキズなどを処理する
「木地調整」を行います。

 
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主要部分のパーツがムキトリ完了しました。この時点で体力使って汗まみれな為、

削った木の粉で全身は粉まみれになります。・・・・・
 
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④スプレーガンを使って「木地着色」作業を行い、ベースとなる色を着けていきます。
  今回はこの個体の特性だと思いますが、色が薄くしか着かない状況でした。

⑤「サンディングシーラー」剤を塗布し、「下塗り~中砥ぎ~中塗り~空砥ぎ」工程を
  行います。
画像⑤は空砥ぎを行っている様子です。

  シーラー剤は木地と塗料を密着させる役目と、研磨処理をして表面のデコボコを
  補正する
役目もあります。




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⑥「補色」を行い、色合いを補正します。

  今回は「木地着色」が薄くしか色が着かなかったので、補色は少々強めに
  塗布しました。

⑦最後に「ウレタンフラット」剤で「上塗り」作業を実施し、すべての塗装工程が
  完了しました。
あとは乾燥するのを待つのですが、乾燥には約1日を要します。

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完全に乾燥したら、バラバラになっていたパーツを元通りに組付けます。

各パーツのツヤにバラつきは無いようですね。
 

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ブロンズガラス天板を設置して完了です!何とか鹿児島滞在期間中に
終えることが
できました!
 
修理のご依頼ありがとうございました。
 


■今回の修理費用は、
全体ムキトリ再塗装 ¥53,300(税別)
分解組付け再接着  ¥5,200(税別)
運搬費用(往復)¥5000(税別)
合計¥63,500(税別)になりました。

■以上、2016年10月現在価格になります。

こんにちは・・・・西営業のメンテナンス課からの紹介です。


今回お預かりしましたのは、2002年より発売されている、「人間工学」にもとづく
座りごこち研究
から生まれた「CT73」という品番のモデルです。合成皮革のシート
部分が、経年劣化
によるひび割れが発生しており、座面シートとモタレの表張材
の張替えに加え、
シート内部の布バネ(ポリエステルメッシュ)も張替える内容です。

 

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このモデルはモタレ、シートは別パーツで構成されてる為、それぞれを分離してから、
既存の張り材を剥がしていきます。
 
まず、画像①はシート張地をはがして、ウレタンクッションを剥がし「ポリエステルメッシュ」の

布バネが見えたところです。さらに画像②では、4脚分のシート部材をすべて剥がして、
木枠
フレームになった状態です。

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座面シート部の張替えは、「坐りごこち」に影響する特に重要な作業になる為、
布バネの
テンション(張力、伸長力を意味します)は、社内基準の数値にあわせ、
慎重に張り替えて
いきます。

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①の画像は、新しく張り替えた布バネ「ポリエステルメッシュ」です。

②の画像は、手前が新しく交換装着したウレタンクッション。

奥は縫製張地を装着した張替え完了品です。


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合成皮革の縫製品を張替えしてシート部は完了です。

下周りの「玉縁ち」(たまぶち)もきれいに装着完了です!


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背モタレ部もウレタンクッション含め、交換張替えです。

ここでは、縫製部分の継ぎ目位置やクッション表面の面形状など、背モタレは外観上

不揃いが、特に目立つ部分のため、4脚とも同じ品質が要求される作業になります。

作業者も神経を集中して実施していきます。
 

無事、仕上げも同一レベルで張り替えることが出来ました。

内部のウレタンクッション、布バネも新しくなり、新品時の座りごこちが

復活しました!
 

張地は、カリモク合成皮革COM張地の中から、平織布地の織りを再現した

合成皮革で、蒸れ感を感じにくいサラッとした感触のマニエラ(ペールイエローU597)

をお選びいただきました。
 

修理のご依頼ありがとうございました。


 
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■今回の修理費用は、
・総張替え費用1脚¥31,300(税別)×4脚
・往復運賃(4脚)¥6,000(税別)
・合計¥131,200(税別)
■以上、2016年10月現在価格になります。