こんにちは、大阪営業所メンテナンス課です。
今回ご紹介する修理は、小物家具(電話台)本体がぐらついてしまい、使用に支障が出てしまっている
というものです。 購入されてから約35年ほど経過した状況で、各接合部の接着剤が劣化してしまった
可能性があります。
◆今回の修理依頼品は、「グランドコロニアル」シリーズ、電話台(品番:AX1150WL)です。
当社のロングセラーシリーズ「コロニアル」シリーズの上級シリーズとして、小物家具の他、リビング
ダイニング商品も設定されたフルアイテムシリーズでした。
アメリカ開拓時代の民芸家具をデザインベースに、大陸特有の砂嵐による風化現象をイメージ
させる為、※「サンドブラストフィニッシュ技法」を駆使して製作されたものでした。
※サンドブラストフィニッシュとは・・
お預かりした製品は脚部接合箇所の接着剤が切れ緩んでしまい、全体が大きくぐらついてしまう状態です。
そのため、修理は構成されている各パーツをバラバラに分解した後、接着剤を塗布し再組付けを行う事
になります。
まずは、①上部収納部と脚部の組付けねじを外していきます。②収納部分が外れた状態です。
その後も各構成パーツを丁寧に外していきます。
↑すべてのパーツを外した状態です。
分解作業の際は、同時に汚れや古い接着剤の残りカスなどをきれいに除去していきます。
こうして見ると小物家具ですが各パーツは精密に造りこみがなされており、割れや大きな変形などは
有りませんでした。 パーツの点数がかなり多いので組み戻しの際は間違わないよう、各パーツに
ナンバリングを付け整理しておきます。
脚部の各接合部に接着剤を塗布し、ベルトで固定圧着します。
接着剤は2液タイプのエポキシ接着剤を使用。速乾性ではない為、乾燥固着させる為丸一日この状態で
乾燥させます。
乾燥中の状態時を利用して、面相筆を使い一部の色剥げ部分を補色補修しておきます。
翌日、ベルトを外して各接合部位の固着を確認後、上部収納部を元通りに組付けてすべての修理作業が
完了しました(前面のスライド天板も無事可動しました)。
お客様より、新婚当初に購入した思い入れのある製品で、約35年ほど使い続けて今回初めて修理の
依頼をされたのだそうです。
電話台という名称の製品も絶滅危惧種的なもので、現在このような造りこみの商品は市場にもなかなか
無いものですし今回はそうした背景もあり、いつも以上に気持ちを込めて修理させて頂きました。
ありがとうございました。
■今回の修理代金は、
作業代 ¥9,000(税別)