2019年8月の記事

こんにちは・・・・大阪営業所メンテナンス課からのご紹介です。

 

今回は、食堂椅子(品番:C5155AIK)のクリーニングメンテナンスのご紹介です。

クリーニングメンテナンスは過去何度かご紹介しておりますが、今回修理のご依頼

をいただきました椅子は、無地柄の布地にジュース類の汚れが付着したもので、
くっきりとした明解な汚れとなっている状態です。

どのくらいきれいに仕上がるかは分かりませんが、出来る限りの対応をしたいと思います。
 
 

座面シートにジュースか何かをこぼしたような汚れが付着しています。
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≪クリーニングについての注意事項≫

◆対象布地

対応可能な布地は、化学繊維の平織り布地の製品のみになります。
対応できない布地については、天然繊維(シルク・ウール・綿など)が

50%以上の素材及びモケット織・金華山織・人工スエードなどで、
変色や縮み、或は立毛が寝てしまったり、毛抜けが発生する危険性があるためです。

◆仕上がり

油性のマジック・ボールペン・しつこい油汚れなどは完全に除去することが出来ず、
痕が残ることがございます。また、ウレタン内部の汚れや臭いに付きましても、
除去することはできませんのでので、予めご承知おき下さいますようお願い申し上げます。

ご注意
布地表面の擦り切れが進んでいる場合は、対応できない場合がありますので、
事前に画像 などの
送付をお願い申し上げます。

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まずシートの目立つ汚れ部分に、シミ汚れ前処理専用剤スプレー塗布したのち、

オレンジ抽出油と酵素を配合した100%自然分解性の洗剤をシート、モタレ全体に

洗剤をスプレー塗布します。
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次にブラシで洗剤を丁寧になじませていきながら、ブラッシングをしていきます。

次にスチームマシンを使い汚れを浮かす処置を施します。
 
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汚れの染みつきがひどい部分は念入りにスチーム処置しておきます。
スチームは殺菌やダニなどの駆除、消臭の効果にもつながります。
 
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そしてリンスクリーナーで水を噴射させるのと同時に、布地に染み込んだ汚れを
含んだ洗剤ごと吸い込む処置をします。
 
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今回はリンスクリーナーの合間にも、再度ブラッシングをして、より汚れを浮かせて
取り除けるようにしてみました。
 
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吸い込んだ水はマシンのタンクに溜まりますので、汚れ度合いが確認できます。

かなり汚れた色の水がタンク内に溜まってきています。
 
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一晩置いて乾燥後の状態です。

 シートの染みつき汚れもきれいになり、全体的にホコリが被ったような汚れも除去され

 張地が明るくなったような印象になりました。
 
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スチーム工程を通して行いますので、完全ではありませんが、殺菌や消臭などの

効果もあると思われます。また汚れは、ダニ増殖の原因にもなりますので、早めに
除去される事をお勧めいたします。

今回は、部分的に色素成分の濃い色の汚れが残っていましたが、クリーニングの
効果があり、
大変きれいに除去することができました。ありがとうございました。

 
 

■今回の修理費用は

食堂椅子座面シート・背モタレ

クリーニング修理¥4,400(税別)

お預かりお届け運賃別途

2019年8月現在価格になります





 




こんにちは・・・・神戸営業所のメンテナンス課からの紹介です。

今回は、リビングダイニング兼用でコンパクトサイズが特徴の2人掛け椅子
(品番WC2125IK)のシート、モタレ張替え修理のご紹介です。
 

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お預かりしました修理依頼品は約15年ぐらいお使いとのことで、張地に目立った
傷みは
ありませんでしたが、座面の弾力性がかなり弱っており内部のウレタンが
ヘタってきていました。
また、モタレの一部に上部が変形してしまっている部分が
ありま
した

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今回お選びいただきました張地で予め縫製加工したパーツです。
座面、背モタレの表張地の他、白く見えるものがウレタンクッションです。
左の画像は背モタレ用の共布のくるみボタンのパーツです。


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今までの張地(ボローニャダークブルー)から
(マリーローズベージュ)をお選びいただきました。

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まず、座面シートと背もたれの一体構造の部分を取り外します。


左右で6カ所ある木栓を割れないよう丁寧に取った後、取付てあるボルトを
外していきます。
すべてのボルトを外して座面シートと背モタレ部のみとなりました。

ここからいよいよ張替えの作業がスタートです。
 

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①最初に座面シート裏の不織布を剥がします。
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②背もたれ裏の張り地を剥がし、背モタレのウレタンクッションや
 チップボール(グレー硬質厚紙)を剥がします。
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チップボール取り除くと、背裏のボタン留めが現れます。
それをすべて外して前面からボタンを外します。
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④これで前面の張地とウレタンクッションをすべて剥がすことができます。
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⑤あとは黒い不織布を剥がして、木枠フレームとバネだけになります。
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これで剥がし作業が終了します。次はいよいよ張り込み作業になります。

 
 

⑥木枠に不織布をタッカーで打ち付けていきます。
  ウレタンに亀裂が入っていたモタレ上部はチップウレタンで
型崩れしにくいよう入念に接着していきます。
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⑦全体にウレタン材を装着。 
次にシート部より表張り材をシワや歪みが出ないよう
張り込みます。
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⑧モタレの縫製品をかぶせ、ボタン取付の準備をします。
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ボタンは千枚通しのような工具の先を加工したものにボタンのヒモを掛け、
布地に差し込みます。布地を通り抜けたヒモにボタンを取付ます。
 
 

⑨モタレ22カ所に位置がずれないよう丁寧に一刺し一刺しボタンを取付けていきます。
右画像はモタレ後ろから見たもので、ヒモが下がって見えるのが分かります。

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⑩各箇所のヒモは均等の強さに引っ張り、厚手の布地に結び固定させます。

 チップボール(グレーの硬質厚紙)、ウレタンを貼込み、モタレ裏側の布張りを装着して
 座面シート・背もたれ部の張替えが完了です。

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⑪最後に座面シート裏の不織布、左右のアームと前下補強桟を取り付けて完成です。

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ボタン締めの多いこのタイプは、一刺し一刺しで、徐々に完成に近づいていき

大変やりがいがありました。また、柄、色の違う張地をお選びいただき、

これまでと違った雰囲気を楽しんでいただけると思います。

ありがとうございました。
 
 

■今回の修理価格は

張替部品代 \34,200+技術料\15,800

合計\50,000(税別価格)

20198現在価格になります。