2021年10月の記事

こんにちは、中部メンテナンス課です。

今回ご紹介する修理は、ハイグレードブランド「ドマーニ クイーンズライフ」シリーズの食堂椅子

品番:CPQ455A029(全4脚)木部傷、補色・フラット再塗装、シート裏金巾張替え修理です。

 

今回は指定された箇所のキズ補修を重点に修理を進めます。

椅子の状態は4脚共に同じ様な箇所にキズが付いていますが、割れ、欠損といった酷いキズは

有りません。 尚、シートについては形状に崩れも無く綺麗な状態を保っており、今回張替えは行いません

 

1-1.jpgのサムネイル画像

木部の割れ、欠損、歪みはありません。 シートの汚れや歪みヘタリなども無く、

パッと見は奇麗な状態です。

 

①は、4脚ともモタレトップに画像のような擦り傷、塗膜剥離が発生。生活上の作業行為

  (手で触る、衣服や物が接触するなど)に伴い発生した傷です。

 

②は、モタレ左右に全く同じ高さにキズが付いています。これは椅子をテーブルに納める際に、

  誤って側面に接触した回数が重なった結果、木部が凹み削れて塗装が剥離してしまった

  ようです。 

 

今回の修理作業として最初に行うのが洗浄作業です。

1-2.jpg

理由はキズの箇所に補色や上塗り剤を塗布するので、汚れによるくすみが有ると色が

綺麗に発色しない事や、塗布した塗料の密着度が落ちてしまう為です。

 

①清掃道具:水、中性洗剤、スポンジ、ブラシ、ウエスを用意。

②全体を軽く水拭きして洗剤を塗布します。

③スポンジで優しく擦り、汚れを落として再度水拭き後乾いたウエスで拭き上げます。

  

 

次にキズの修理に取り掛かります。

キズ部分は材料が削れてしまっている為、造形を復元させる為の充填材が必要な状況です。

修理方法はパテ、木粉、エポキシ等有りますが、キズが小さい事や時間の短縮など考慮し、

今回は瞬間接着剤を用いた修理を選択します。

 

2-4.jpg

①面相筆を使いキズ部分に、周りの色より濃くならないよう薄く色を挿していきます。

②瞬間接着剤を盛り付けた後ヤスリを使い、表面の形を整えていきます。 作業は修理箇所

 以外の木部や塗膜傷付けないよう慎重に行います。

③再び面相筆で、色々な角度から見て違和感が出ないよう補色していきます。

④上塗り剤(フラット剤)を塗布し、艶合わせをして完了です!

 

1-4-1.jpg

  

1-5.jpg 

 

2-2.jpg 

脚上部のキズです。

修理依頼はありませんでしたがキズが目立っており、きれいに修復した本体の印象を

少々損なう可能性があった為、今回は特別に修理を施しました。

シート裏の金巾も綺麗に張替えてすべてのミッションが完了です!

  

2-3.jpg

今回は明確に依頼された箇所のみを修理するという事でしたので、それ以外の

細かなキズや凹み等は残ります。

全体的にキズが有る物や塗膜が傷んでしまっている物は剥きとり再塗装修理を

お勧めします。

 

お客様が日頃からキレイに使われていたお陰でとても綺麗に仕上げることができました。

ありがとうございました。

 

■今回の修理費用は、

補色・フラット塗装修理工賃    ¥16,000×4脚

シート裏金巾張替え(材料費込み) ¥2,500×4脚

合計 ¥73,000(税別) 

こんにちは・・・・金沢営業所メンテナンス課です。

今回の修理は金沢ショールーム修理工房にて作業しました、和風テイストの高座椅子

(品番:GF5015ZW)木部再塗装修理です。 

 

このモデルは89年~03年まで販売されていたリビングダイニング兼用で使える椅子で、

今回お預かりした椅子は約20年ほどの長きにわたりお使い頂いている事もあり、背モタレ

角面部分の色剥げがかなり目立ち痛々しい状態となっていますが再塗装を施す事で、見た

目の印象はかなり改善します。 

 

GF1-1.jpg
高座椅子 GF5015ZW                    工房に入荷された椅子。 今回シートの張替えは

幅640×奥行620×高さ730・座高300        しない為、フレームのみの姿で入荷。

                                     

 

GF1-2.jpg

最初の作業として、まずは椅子全体の埃や汚れを除去したのち、サンドペーパーで軽く

空研ぎをします。 これは再塗装するにあたり、新しく塗布した塗料が付着後剥離しにくい

ように施しておくもので椅子全体にペーパー掛けします。

 

GF1-3.jpg

次にスプレーガンを使い、まずは色剥げ部分を識別しやすくする目的で着色剤を薄めにして

全体に塗布しておきます。 

 

GF1-4.jpg

局部的に色剥げしている角面部分には、筆で色差しをして色調を合わせていきます。

かなり手間のかかる作業ですが仕上がりぐあいに影響するとても大切な作業となります。  

 

GF1-5.jpg

色差しが完了し、ベースとなる色調を整えました。塗膜が剥離した部分はこれでほとんど

目立たなくなりました。 

 

GF1-6.jpg

次の塗装作業は、オリジナルに近い色調に整えていく工程になります。

指定されている仕様に調合をした塗料をスプレーガンで部分的に濃さ加減を調整しながら

バランスをみて吹き付けていきます。

 

GF1-7.jpg

最終の工程は上塗りウレタンフラット剤を塗布します。 無色透明のフラット剤を全体が

しっかりと濡れた状態になるようスプレーガンで吹き付けします。 

吹き付け加減を誤ると塗面のざらつきの原因となるので熟練の技が必要となります。

 

GF1-8.jpg

ウレタンフラット剤は完全乾燥までは一昼夜乾燥時間が必要です。

今回の再塗装ではお客様の使い込んだ感じを残すために、オリジナル仕様よりやや艶感の

ある感じ(4分消し)仕上げました。

 

GF1-9.jpg

 

 
食堂椅子の再塗装修理は、とても手間のかかる技術的な技が必要な修理ですので

仕上がって完成した修理品には、ある意味愛着が湧いてくるものです。

お客様の大切な家具が修理後にまたお客様の毎日の暮らしのなかで

使っていただける事が喜びになれば修理した職人としては嬉しいことです。 

  

■今回の修理費用は、

工賃 ¥16,000×6脚

合計 ¥105,600(税込み)

2022年7月現在価格になります。

2022年8月

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