2024年4月の記事

こんにちは、関東メンテナンス課です。

今回は素上げ調のオイル仕上げ革を使ったソファー(品番:ZSA153)、革メンテナンスのご紹介です。 

 

修理依頼品は老人ホームで使用されているソファーで、オイル仕上げ革に起きてしまう事がある

色褪せやツヤが無くなる、手触り感がざらつくようになってきたという状態です。

 

主な原因として挙げられるのが乾燥です。 人間の皮膚も乾燥しすぎると肌荒れやひび割れといった

肌トラブルとなってしまいますが、革製品の革も乾燥しすぎるとおなじような現象が起きます。 

 

改善策として有効なのは、人間といっしょで「保湿」です。 今回はオイル革専用のオイルを使い、

保湿を改善させるのと合わせ、皮革製造業者様の協力をいただき一部汚れの除去に挑みました。

 

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上の画像が今回の修理依頼品です。

画像では分かりづらいですが、表面はパサパサでかなりの乾燥肌となっっている状態。

色もかなり褪せてしまっており、ツヤも無くなってしまっています。 

 

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まず行う作業として、オイル仕上げ革に施してある防水加工を除去していきます。

皮革製造業者様のレクチャーを受けながら、汚れシミの境をぼかすイメージで、工業用アルコール

(約30~40%の水割りで)を軽くたたき込みながら色が変わるまで濡らしていきます。 

 

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アルコールによって防水加工が除去された後、専用のオイルを塗り込んでいきます。

オイルが革に染み込み濡れ色になる事で、局部的な汚れが目立たなくなり、全体的にアンティークな

仕上げに見えて良い感じになってきました。

オイルの染み込みが悪い箇所は、再度アルコール水で拭き取ったのちオイルを塗り込んで乾燥させる

事を2~3回程行う事で改善していきます。 

 

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作業実施後数日乾燥の為の時間を設けます。

今回の作業で防水加工は無くなってしまいましたが、ご覧のように品質の良い独特な革の艶やかさ、

アンティーク調のしっとりとした雰囲気に仕上がりました。 

 

職人の一言.jpgのサムネイル画像 

法人営業担当者の熱い思いと事前段取りのおかげで、困難な作業でしたが対処する事が出来ました。

今回のメンテナンス作業で防水効果は無くなってしまいましたが、お手入れする程に味わい深くなる

革本来の良さが引き出せました。施設にご入居のお客様には、ぜひお座り頂きご体感頂けると幸いです。 

 

今回の修理代金は、

作業工賃  長椅子 1脚 ¥30,000(税別) 

2024年4月

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