世代を超えた思い出の椅子の復元修理

こんにちは・・・・中部のメンテナンス課からの紹介です。

今回は、お客様相談室に、ご依頼を頂きました約50年ほど大切にご使用されている椅子修理の紹介です。
当時のカリモクロゴシールも大切に保管していただいていました。

かなり昔の椅子ということもあり、お客様よりデザインの特徴や色、張地の仕様の確認など詳しく
お伺いしながら商品を調べていきました。


(修理前)椅子のお写真
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当時の資料より、1人掛椅子が#700、2人掛椅子が#720という品番で、張地は赤色の布仕様でした。
色が違うのは、お客様のお母様が張り替えをされたそうです。現存している資料から(当時の画像です)
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◆ご希望の修理内容は・・・・・・・・
① まず、摩耗により剥げが進んでいる【木部分の再塗装】
② そして接合部のぐらつきの【再接着修理】
③ さらに座面シート部の【総張替え修理】でした。

最初の作業は、シート部の取り外しを行い、本体の清掃、そしてボルト接合の箇所はすべて
フレームを分解してのちの作業を行ないやすくします。
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次に、分解されたフレームの一つ一つを手作業で表面の塗膜を剥ぎ取っていきます。
木地までしっかりとむきとり、接合部の緩みは、この段階で確認して、同時に接着作業
を確実に行っておきます。
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そして塗装です。社内基準に沿って、下地着色の工程から、順に行います。
■着色→目止め下塗り→空研ぎ→中塗り→補色→上塗りと行い、当時の黒色を再現します。
艶は7分艶消しくらいで、少し艶が感じられるぐらいの仕上がりです。
 
塗装が乾燥してから、木部のボルト接合をしっかりと決めフレーム部の完成になります。
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最後に、予め外してバネ・ウレタン交換・張地張替え作業を終えたシート部を取付けて完了です。
張地は、平織布地のシャームミックスピンクをお選びいただきました。
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無事お客様宅に納品が完了致しました。
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≪お客様よりのお話≫
この椅子は、お客様のお母様の嫁入り道具で、兄弟や従妹が飛び跳ねて遊んでいた
思い出の椅子なので、修理代は高いかなと思いましたけど修理をお願いすることにしました。
シートは一度母が自分で張り替えました。そのときにカリモクのロゴシールをシートの裏に
貼っていたのを思い出し、カリモクに依頼することにしました。
 
お届けした後、半世紀も前の椅子をここまで綺麗にして頂けるとは、うれしく思っています。
今回修理をして下さった方々はもちろんのこと、50年前の御社の職人の方が良いお仕事を
して下さったからこそ、デザインを含めて今も充分に使い続けられるお品なんだと思います。

初めに担当して頂いたお客様担当の方や、修理担当の方々にもよろしくお伝え下さいと
ありがたいお言葉も頂きました。
 
今回修理費用は、再塗装/接着/張替えで
■1人掛け椅子 60,000円×2台=120,000円
■2人掛け椅子 110,000円
■預かり配送料 14,000円   合計244,000円(税別)
以上、2016年4月現在価格になります。

     

2019年4月

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