2025年9月の記事

こんにちは、カリモク家具メンテナンス課です。

家族みんながくつろぐリビングルームにおいて、革張りソファーは主役級の存在といえます。

 

革は、年月を重ねるほどに手触りや見た目の風合いが増し、深みのある質感へと変化していきます。

その様子に憧れや魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。

 

でも、日頃どんなことに注意しながらお手入れをすればよいかとご心配の方もいらっしゃると思います。

革は耐久年数は長いものですが、普段のお手入れや使用場所によって状態は変わってしまいます。

 

末永く美しくご愛用頂くために、ちょっと革について知ってもらいたい事をご紹介します。  

 

革1ー1.jpg 

 

■革はサステナブル素材 

 

サステナブルとは「持続可能な」「将来にわたり持続的、永続的に活動を営む事」の意とされ、

最近よく耳にする言葉ですが、その取り組みに鑑みた場合、革製品は製造から廃棄に至るまでの

流れを持続させる事に配慮した製品素材といえます。

 

ひとくちに皮といっても、様々な動物のものがありますが、家具用にはほとんど牛皮が使われます。

革製品は食肉用などの動物からお肉をいただく時に出る皮を活用して作られます。

革製品の為に動物を飼育しているのではなく、私たちがお肉を食べ続ける限り、皮部分は無駄なく

革製品として活用されています。 

 

 

■(皮から革へ)人手が加わって新しい価値が生まれます

 

皮は、鞣し(なめし)と呼ばれる工程を経て「革」となります

鞣し工程とは非常に重要なもので、腐敗の原因物を排除して永く使えるように加工するだけでなく、

皮本来が備えている通気性、保温性、伸縮性、堅牢性(丈夫さ)なども引き出すものにします。

 

鞣された革は、素材そのものがほとんど劣化するないと云われています。使い方や普段の

お手入れによって、より馴染んで風合いや味わいが増してくるものです。  

 

 

■鞣しが終わった革の価値は、仕上げ方法によって違います 

 

鞣しが終わった革表面には、異なる仕上げ方があり、大きく分けると、以下の3つに分類されます。

 

①スムース仕上げ: 表面に凹凸や起毛が無く、なめらかな触り心地が特徴的です。見た目も

 上品なツヤが有り革本来の風合いが楽しめます。

 

②シボ仕上げ:革のシワを革用語でシボといいますが、表面のシワを活かした仕上げ方です。

 加工により表面に凹凸を付け、光の加減で様々な表情をつくりだし、革の個性を際立たせます。

 

③起毛仕上げ:革表面を人工的に毛羽立たせるヌバックや革の裏面を均一に毛羽立たせるスエード等 

 が有ります。 表面を繊細に起毛させることで、見た目はビロードのような滑らかさを醸し出します。  

 

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 ①スムース仕上げ          ②シボ仕上げ             ③起毛仕上げ 

 

 

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革にある傷や模様は、不具合や不良品ではありません。むしろ、かつて生きていた証しであり、

本物の革であることの証明です。一つとして同じものはないお客様だけの特別なソファーと云え、

価値あるものです。 

 

しかし、工業製品として見た場合に見た目も大事な要素ですし、傷や模様柄の差異が少ない皮を

使うとなるとコストも高くなります。表面に加工仕上げをすることで、新たな魅力を加えると共に

価格もお求めやすくすることや、見た目や色合い、風合いなどの品質価値を加え、革製品はより

魅力的な製品となっていくのです。  

 

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■末永くお使いいただく為に、場所、環境などに気遣う 

 

革張り椅子の素材そのものを傷めない為には、設置場所や環境に対して、いくつかの気遣いが

必要となります。

 

①直射日光を長時間当てさせない。日光が当たる時間帯には、カーテンなどで日光を遮りましょう。

 理由:人の皮膚といっしょで紫外線によってダメージを受けます。表面の劣化でしなやかさが無くなり、

    ひび割れ、色あせ、変色などの原因となります。

 

②エアコンの風を直接的に長時間当てすぎないようにします。

 理由:革が乾燥しすぎてしまい、ひび割れを起こす可能性があります。

 

③籐アジロ編みのような硬い座布団などは置かないようにしましょう。

 理由:革表面にキズを付ける恐れがあります。

 

④化粧品、整髪料の汚れは早めに除去しましょう。

 理由:革の繊維は非常に細かく複雑な構造の為、内部に汚れが染み込むと除去が困難になります。

 

⑤湿度の高い場所には設置しないように。 出来ない場合は換気を心掛けましょう。

 理由:カビが生えやすく不衛生な状態になりやすくなります。 

  

  

職人からの.jpg  

上記のようなお気づかいをしながら、普段のお手入れとしては、乾いた布で表面のホコリを除去する

ことです。また、トップコート仕上げ(顔料仕上げなど)のある革であれば、固く絞ってのお湯拭きで

軽くたたくように拭き取るのも効果が有ります。

また、当社ご推奨のお手入れキットを使用する事で、質の低下を遅らせ末永くご愛用できると共に、

愛着も増し大切にお使い頂ける事につながります。 

 

※お手入れキットご紹介はコチラ↓
https://www.karimoku.co.jp/maintenancekit/index.html#LEATHERMASTER

 

お手入れは革を「育てる」時間です。汚れを落とすだけでなく、革本来の美しさを引き出し

愛着を深める大切なひとときです。 ぜひ、あなただけのソファーを育ててみませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           

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