こんにちは多摩営業所メンテナンス課です。
今回ご紹介する修理は、25年間ご愛用されている食堂椅子の組み直し、木部の再塗装、
表張材の張替えという、フルコースでの修理です。
修理は作業途中に支障が出ないよう、
本体の再接着修理 ➡ 木部の再塗装 ➡ 張替え修理 の順番で修理プランをすすめます。
お預かりした椅子の状態は、本体にぐらつきが発生しているのと塗膜の劣化や擦り傷などで、
それなりの傷みが生じていますが、割れや欠損といった箇所は無く、既存の部材そのままで
修理再生が可能な状態です。
しかし革製の張材は深い傷が付き破れてしまっている為、張替える事になります。
【本体の再接合修理】
①全体を中性洗剤で洗浄後、座面とモタレの張り材を木部に傷をつけないように剥がします。
②新しい接着剤を塗布する為、一旦バラバラに分解します(古く残った接着剤は除去します)。
③再組付け時に接着剤をしっかりと塗布しバンドで絞めて圧着して、一日乾燥させます。
【木部の再塗装】
④翌日木部にペーパーヤスリで空研ぎし塗装表面の下地を整えます。
⑤ペーパーヤスリによる空研ぎは画像のように木部全体に施します。
⑥つぎにウエスを使い、剥げている部分に塗料を刷り込んで着色します。
⑦深い傷部分は筆で色をさします。
⑧スプレーガンを使い、サンディング~補色~フラットの工程を経て再塗装修理は完了です。
【張替え修理】
⑨⑩張材は新たに工場で製作されたもの。裁断品、不織布、ウレタンクッション材、縫製品を
決められた順序でタッカー工具を使い、モタレ部分に張り着けていきます。
⑪シート部は完成品仕様の為、ビスで取り付けます。
これで全ての修理が完了しました!
なお、張材はお手入れが楽な合成皮革仕様となっています(シート面のステッチが無くなり
ます)。
しっかりした作り込みと厳選された高品位の素材を使い作った製品なので、今回のような
フルコースでの修理が可能だと思います。
これからも末永くご愛用頂けますと幸いです。
今回の修理代金は、
部品代\10,400+作業代\30,700=合計\41,100(税別)
※お預かり期間 3週間