こんにちは・・・・北九州営業所メンテナンス課です。
今回は食堂椅子張替え修理のご紹介です。
依頼品は合成皮革の張材を使用した食堂椅子で、ご購入されて約20年程経過しているものです。
張材の弾力性が劣化して硬化してしまい表面にヒビが入ってしまっています。
座り心地も見た目も悪くなってきています。
この張替え修理を機会に、張材のカラーも変えるオーダーを頂きました。
どのように変わるか個人的にも非常に楽しみです。
尚、シートは完成品パーツとして現在も製作手配が可能な為、
今回背もたれのみ張替え修理を行う事になりました。
まずはモタレの玉縁外しから開始します。
玉縁は後付け仕様となっている為紐状になっています。
玉縁を剥がした後は合皮張材を留めているタッカー針を外す作業となります。
タッカー針を外した後は、内部のウレタン材、不織布、背面の合皮張材など
既存の部材を全て取り除いていきます。
既存の部材を全て取り除いた後は、剥がした順番とは逆の手順で新しいパーツを
張り込んでいきます。 新しいウレタンクッション材は真っ白な色をしており、
古いウレタンとの変色具合が画像からもよくわかります。
合皮張材は画像Ⓐのような裁断形式で入荷されてきます。
モタレ前面の合皮を張る作業です。今回のメイン作業となる為、
いちばん気を付けながらの作業となります。
まずはモタレ上下方向からタッカー工具で留めていきます。
次に左右方向に、シワ、ゆるみなどに注意しながら留めていきます。
タッカー留めが終わったら、タッカー針の留まり具合を確認します。
浮き気味な針は工具を使い打ち込んで修正していきます。
余分な合皮材はカッターで丁寧に除去していきます。
最後に玉縁パーツをはめ込みながら接着していきます。
歪みや浮きが無いように、特に四隅のコーナー部は隙間や浮きが出来やすいので
丁寧に接着をしていきます。
シート完成品パーツを取り付けてすべての作業が完了しました。
張り具合に個体差も出ず、表面の仕上げはバッチリです。
玉縁も浮き沈みが無く、きれいにはめ込まれています。
モタレ後ろの張り具合も、合皮表面にシワも無くきれいに仕上がっております。
今回の修理代金
修復工賃 ¥26,800 (税抜き)
パーツ代金 ¥45,600 (税抜き)
合計¥72,400(税抜き)
2021年1月現在価格になります
合成皮革材の張り付け作業は技術的に難しく、引っ張り具合を均一にして
張らないと面形状が綺麗に出来ません。
今回はホワイト色の合皮という事もあり、作業中に汚れが付かないよう
配慮も必要で、難易度の高い仕事でしたがうまく対処出来たと思います。
これからも大切にご愛用頂けますと幸いです。