こんにちは・・・・神戸営業所のメンテナンス課からの紹介です。
今回は、リビングダイニング兼用でコンパクトサイズが特徴の2人掛け椅子
(品番WC2125IK)のシート、モタレ張替え修理のご紹介です。
お預かりしました修理依頼品は約15年ぐらいお使いとのことで、張地に目立った
傷みはありませんでしたが、座面の弾力性がかなり弱っており内部のウレタンが
ヘタってきていました。また、モタレの一部に上部が変形してしまっている部分が
ありました。
今回お選びいただきました張地で予め縫製加工したパーツです。
座面、背モタレの表張地の他、白く見えるものがウレタンクッションです。
左の画像は背モタレ用の共布のくるみボタンのパーツです。
今までの張地(ボローニャダークブルー)から
(マリーローズベージュ)をお選びいただきました。
まず、座面シートと背もたれの一体構造の部分を取り外します。
左右で6カ所ある木栓を割れないよう丁寧に取った後、取付てあるボルトを
外していきます。
すべてのボルトを外して座面シートと背モタレ部のみとなりました。
ここからいよいよ張替えの作業がスタートです。
②背もたれ裏の張り地を剥がし、背モタレのウレタンクッションや
チップボール(グレーの硬質厚紙)を剥がします。
③チップボール取り除くと、背裏のボタン留めが現れます。
それをすべて外して前面からボタンを外します。
④これで前面の張地とウレタンクッションをすべて剥がすことができます。
⑤あとは黒い不織布を剥がして、木枠フレームとバネだけになります。
これで剥がし作業が終了します。次はいよいよ張り込み作業になります。
⑥木枠に不織布をタッカーで打ち付けていきます。
ウレタンに亀裂が入っていたモタレ上部はチップウレタンで
型崩れしにくいよう入念に接着していきます。
⑦全体にウレタン材を装着。
次にシート部より表張り材をシワや歪みが出ないよう
張り込みます。
ボタンは千枚通しのような工具の先を加工したものにボタンのヒモを掛け、
布地に差し込みます。布地を通り抜けたヒモにボタンを取付ます。
⑨モタレ22カ所に位置がずれないよう丁寧に一刺し一刺しボタンを取付けていきます。
右画像はモタレ後ろから見たもので、ヒモが下がって見えるのが分かります。
⑩各箇所のヒモは均等の強さに引っ張り、厚手の布地に結び固定させます。
チップボール(グレーの硬質厚紙)、ウレタンを貼込み、モタレ裏側の布張りを装着して
座面シート・背もたれ部の張替えが完了です。
⑪最後に座面シート裏の不織布、左右のアームと前下補強桟を取り付けて完成です。
ボタン締めの多いこのタイプは、一刺し一刺しで、徐々に完成に近づいていき
大変やりがいがありました。また、柄、色の違う張地をお選びいただき、
これまでと違った雰囲気を楽しんでいただけると思います。
ありがとうございました。
■今回の修理価格は
張替部品代 \34,200+技術料\15,800
合計\50,000(税別価格)
2019年8月現在価格になります。