アメリカのコロニアルスタイルとは?インテリアの特徴と部屋作りのコツをご紹介

カリモクが、1974年に発表した、シリーズ家具「コロニアル」。
アメリカ開拓時代の味わいを伝える優雅なラインナップで、長い間多くの方に愛されています。
落ち着きのあるクラシカルな雰囲気ながら、簡素で実用的なデザインのコロニアル家具には、どのような特徴があるのでしょうか?
本記事では、アメリカのコロニアルスタイルのインテリアの歴史や特徴、コーディネートのコツを詳しくご紹介します。
アメリカのコロニアルスタイルとは?
コロニアルとは、植民地様式のことを言います。ヨーロッパ各地からの移民の人々が、アメリカやアジアにもたらした文化・建築様式などが、現地の文化・風土と融合したものがコロニアルスタイルです。
カリモクの「コロニアル」シリーズで受け継いでいる、アメリカの開拓時代のインテリアの雰囲気について、その歴史からひも解いていきましょう。
アメリカにおけるコロニアルスタイルの歴史
アメリカには17~18世紀にかけて、オランダ・イギリス・フランス・スペインなどからの移民がいました。
その後、1776年に独立します。独立以前・以後も、移民の人たちによって、ヨーロッパ各国の建築やインテリア様式がアメリカにもたらされます。そして、現地の生活様式に合わせて変化しながら、人々の暮らしに根付いていきます。文化や建築と同様に、インテリアスタイルも独自のスタイルが確立されました。
これが、アメリカにおける「コロニアルスタイル」です。
アメリカの「コロニアルスタイル」インテリア
インテリアのスタイルは、一朝一夕に作り上げられるものではありません。
植民地時代に始まり、支配者層や独立意思が強まる流れがあり、だんだんとアメリカでのインテリア様式も変化していきました。
植民地時代、ヨーロッパ各国の支配があるなかで、イギリスが力をつけるようになります。
そこで、アメリカでもイギリス調のクラシカルで装飾的な家具が多くみられるようになっていったのです。たとえば、17世紀後半のイギリスで製作されたウィンザーチェアなどの木製家具が、1720年代になるとアメリカで目立って使われました。
ウィンザーチェアとは、背もたれの笠木部分にささった紡錘(ぼうすい)形の棒が背もたれになっているようなチェアを言います。
簡素なシルエットですが、紡錘形の棒には装飾的なろくろ加工が施され、優美さを持っています。
また、クイーン・アン様式と呼ばれる、やわらかな曲線と華奢な脚部が印象的な家具も使われるようになりました。
このような時代のインテリア様式を「コロニアルスタイル」と呼んでいます。
アメリカのコロニアルスタイルの特徴
植民地時代とは、言い換えれば開拓の時代でもあります。このころに発展した、アメリカのコロニアルスタイルのインテリアには、どういった特徴があるのでしょうか。具体的な要素を一つひとつ見ていきたいと思います。
シンプルで機能的
はじめは、ヨーロッパ各国の古典的で装飾的なデザインとライフスタイルをそのまま持ち込み生活していました。
しかし、アメリカでの暮らしが落ち着くにつれて、合理的なライフスタイルと融合していきます。その結果、家具やインテリアスタイルは、シンプルで機能的になっていきました。
曲線的な温かみのある木製家具
アメリカのコロニアルスタイルの家具の特徴の一つに、曲線を生かした木製である点が挙げられます。落ち着いたダークトーンに塗装され、木が持つあたたかみを感じられるようなデザインです。
肘掛や背もたれ部分がなめらかなカーブを描いた曲木のものも多く、優しい印象を受けます。先にご紹介した「ウィンザーチェア」のように、肘掛や背もたれが棒状になったチェアなどが使われました。
細かな装飾が施されている
肘掛や背もたれの棒状の貫(ぬき)には、ろくろ加工による装飾が施されました。
同じように見えても、少しずつ異なるデザインで見るものを楽しませてくれます。また、収納家具の扉は框のあるデザインになっており、取手や引手も凝ったデザインのものが付かれています。家具自体はシンプルながらも、繊細な装飾がインテリアに優美な印象を与えています。
花や植物柄のファブリック
ソファやチェアの張地には、大胆に花や植物の柄が織り込まれたデザインが好まれていたようです。
現在でも、コロニアルスタイルのインテリアでコーディネートする際には、大柄の花模様の張地を使ってみてください。
クラシカルで上品な雰囲気を演出できますよ。
アメリカのコロニアルスタイルインテリアのコーディネートのコツ
アメリカのコロニアルスタイルの特徴を生かして、インテリアコーディネートをするときのポイントをご紹介します。
実際に家具を選ぶ際に、意識してみてくださいね。
落ち着いた色味の木製家具を使う
木製家具はたくさんありますが、できれば艶感のある落ち着いたダークトーンのものを選びましょう。
白木の家具はコロニアルスタイルというよりは、ナチュラルな北欧風のテイストになります。また、曲線的なやさしさもあるデザインがおすすめです。
素材そのままのシンプルなデザインでもよいですが、ろくろ加工による装飾などが入っているとよりコロニアルスタイルの雰囲気を醸し出すことができるでしょう。
椅子やソファの張地にこだわる
花や植物柄の張地は、コロニアルスタイルにぴったりです。
さらに細部にこだわると、より雰囲気がよくなります。例えば、座面や背もたれクッションの縁取りの加工が挙げられます。
ヒダを寄せたようなプリーツ加工が施されていたり、房がついていたりするものがおすすめです。
また、背もたれ部分がボタン絞りになっているものも、エレガントさが出てすてきです。
トータルコーディネートを考える
ソファやダイニングセットなど、メインになる家具以外も、コロニアルの雰囲気に合わせるようにしましょう。
ダイニングとリビングが一続きになっているなら、共通点を作ります。
例えば、ソファとチェアの張地を同じ色・柄にする、あるいはソファ用のクッションに椅子の張地と同じ物を使うなどを意識してみてください。
収納家具などの周辺家具も色やテイストをそろえれば、部屋全体をコロニアルスタイルにコーディネートできますよ。
カーテンにもこだわる
インテリアを構成するアイテムは家具だけではありません。
カーテンにもこだわってみましょう。
カーテンは大きな柄を取り入れやすいアイテムです。ソファや椅子の張地はあえて無地にして、カーテンとクッションを花柄にしてみてもよいでしょう。
また、ロールスクリーンなどのすっきりしたカーテンではなく、ヒダのたっぷりとしたドレープ生地にするのがおすすめです。
カーテンを束ねるタッセルもロープ式のものや房付きのものを使うと、雰囲気がぐっと高まります。
ラグでインテリアを引き締める
インテリアをおしゃれに見せるアイテムにラグがあります。
リビングのソファの前には、ラグを置いてみてください。ソファなどに大柄を使っている場合は、無地のラグが合わせやすいでしょう。
逆に、ソファの張地が無地の場合は、キリムなどオリエンタルな柄や、ネイティブアメリカンスタイルの柄、オルテガ柄などがおすすめです。
オルテガ柄は、ニューメキシコ州の開拓移民が伝えたと言われる手織物の柄のことで、ひし形を含むカラフルな幾何学模様が特徴です。
間接照明で雰囲気アップ
せっかくなら照明で、コロニアルスタイルをもっとすてきに演出してみましょう。
スタンド照明などを多用して、陰影を作ると雰囲気が高まります。
シャンデリアタイプの天井灯やガラスシェードのペンダント灯なども、クラシカルな印象でコロニアルスタイルにぴったりです。
アメリカのコロニアルスタイルでインテリアを楽しみましょう
17世紀の植民地時代に始まる、アメリカのコロニアルスタイル。
シンプルでも装飾性が高く、クラシックなイメージが強いインテリアです。
使い込むほどに味わいが増すような艶のなる木製家具やプリーツ加工のあるエレガントなクッションなど、優雅な雰囲気のアイテムが多いことも特徴の一つと言えるでしょう。
部屋全体をコロニアルスタイルにコーディネートして、豊かな味わいを堪能してみませんか?
次の記事では、カリモクの「コロニアル」シリーズのなかからとっておきの家具をご紹介します。