日本人は欧米人より腰痛になりやすい!?
研究を進めるうえで重要視したもうひとつのポイントが、日本人と欧米人との違い。
椅子というものはもともと欧米人が作った道具です。欧米文化のもと、欧米人のために作られた道具を、そっくりそのままの形で日本人が使うことには無理があるのかもしれません。なぜなら、欧米人と日本人では体格に大きな違いがあるから。
例えば骨格。骨の数はどちらも同じですが、大きさは違います。背骨と背骨のクッションの役割を果たしている椎間板も同様で、数は同じでも欧米人の方が大きいのです。実はここに大きな問題が・・・。
人間は長時間無理な姿勢で座っていると椎間板に負担がかかり、ひどくなると椎間板ヘルニアなどのトラブルを引き起こします。もともと椎間板が大きい欧米人に比べ、椎間板の小さい日本人は少しの負担でもダメージを受けやすいのです。
ということは、日本人こそ椅子にこだわり、自分たちのからだに合ったものを厳しく吟味する必要があるのではないでしょうか。
脚の長いスラリとした椅子は確かにスタイリッシュではあるけれど、日本人が心地よく座るための椅子の形が必ずあるはず。
時には背のびもいいけれど、そろそろ自然にかえろう。
座ることが不自然なことなのであれば、限りなく自然に近づけよう。欧米スタイルの椅子が合わないのなら、ジャパニーズスタイルの椅子をつくろう。
目指すべきところは『からだへの負担が限りなく小さく、自然体でいられる椅子をつくること』。これこそがカリモクの掲げるセオリーです。