第1回:近新家具から見た「カリモクのDNA」
【京滋の名店から紐解く・第1回】
なぜ、私たちはカリモクを信頼するのか?
受け継がれる哲学と歴史。
私たち近新家具は、滋賀の地で1868年(明治元年)に創業して以来、150年以上にわたり地域の皆様の暮らしに寄り添う家具をお届けしてまいりました。私たちの原点であり、今なお経営の根幹に息づいているのが、近江商人の精神「三方よし」です。それは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」――つまり、自分たちの利益だけでなく、お客様に心からご満足いただき、さらに社会全体が豊かになることを目指す哲学です。
この理念に、強く共鳴するパートナーがいます。日本を代表する木製家具メーカー、「カリモク家具」です。なぜ私たちは、数ある家具ブランドの中からカリモク家具を選び、自信を持ってお客様におすすめするのか。その理由は、彼らのDNAに刻まれた、二つの揺ぎない哲学にあります。
1. 「品質至上」の原点。
下請け時代に培われた、絶対的な自信。

一流メーカーの厳しい要求に応え続けた経験が、カリモクの「品質至上」の礎を築きました。
カリモク家具の物語は、1940年、愛知県刈谷市の小さな木工所から始まります。意外に思われるかもしれませんが、彼らが「カリモク」ブランドの家具を本格的に販売し始めるのは、それから20年以上も後のことでした。では、その長い間、彼らは何をしていたのでしょうか。
その答えこそ、カリモクの「品質至上」という理念が、単なるスローガンではないことを証明しています。創業初期のカリモクは、様々な木工部品を製造する下請け工場でした。しかし、その取引先は、河合楽器製作所のピアノの鍵盤、三洋電機のテレビの木枠、トヨタ向けの輸送用木箱など、各業界で日本最高水準の品質を要求する企業ばかりだったのです。
特に、ピアノの鍵盤やミシンのテーブルといった精密機械の一部となる部品の製造は、彼らの技術を飛躍的に向上させました。そこでは、ミリ単位、時にはミクロン単位という極めて高い加工精度が求められました。木材の乾燥から刃物の選定、接着剤の知識に至るまで、木工加工のあらゆる技術革新を迫られたこの経験は、カリモクにとって最高の修練の場となったのです。
「他業界の厳しい要求水準に応え続ける」という歴史。これこそが、今日のカリモクブランドの信頼性の源泉にほかなりません。
2. 科学の目と、人を想う心。
「座り心地研究」という終わりのない旅。

科学的なデータに基づき、「本当に心地よい」とは何かを追求し続けるカリモクの探究心。
カリモクの家具づくりを貫く、もう一つのDNA。それは、人間への深い洞察です。「木」を知り尽くした技術に加え、「人」を深く知ることで、真に心地よい暮らしが実現できる。その思想を象徴するのが、長年にわたり続けられている「座り心地研究」です。
そもそも椅子に座ると、立っている時に比べて腰に1.4倍から1.8倍もの負担がかかるという事実をご存知でしょうか。カリモクはこの身体への負担をいかに軽減できるかという問いに対し、職人の経験や勘だけに頼るのではなく、科学的なアプローチで挑み続けています。大学との共同研究を通じて、「体圧分散」や「血流」などを測定・分析し、身体に負担の少ない理想のシート構造を追求しているのです。
近年ではその探究心はさらに深まり、プレミアムリクライニングチェア「ザ・ファースト」などの開発においては、ついに脳波を測定し、「人が本当にリラックスしている状態」をデータとして製品設計にフィードバックしています。この科学の目と人を想う心が融合したアプローチこそが、カリモクならではの「心地よさ」を生み出しているのです。
確かな価値を、お客様の暮らしへ。

確かな品質と心地よさを、ぜひ店頭でご体感ください。専門スタッフが最適な一脚をご提案します。
私たち近新家具にとって、カリモク家具は「心から安心してお客様にお薦めできる、数少ない存在」です。家具は、一度購入すれば10年、20年と使い続ける、暮らしのパートナーです。だからこそ、その品質と信頼性に裏打ちされた製品でなければなりません。
カリモクのDNAに息づく「品質至上」の精神と、「人を想う研究姿勢」。それは、私たち近新家具が守り続けてきた「三方よし」の精神――お客様に心から満足していただき、豊かな暮らしを送っていただくこと――と、まさしく重なるものです。
ぜひ一度、私たちの店舗で、カリモクの家具に触れてみてください。その確かな品質と、身体が自然と求める心地よさを、ご自身の身体で感じていただければ幸いです。特に、旗艦店である近江大橋店には、近畿最大級の「カリモクギャラリー」を常設しておりますので、心ゆくまでご体感いただけます。
次回予告
次回は、カリモクのものづくりの舞台裏――100年使える家具を生み出すための、木材へのこだわりや職人技に込められた想いについて、私たち近新家具の目線からご紹介します。どうぞご期待ください。

