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エルゴノミクスにもとづいた測定方法がわかれば、誰でも同じものがつくれるのでしょうか?
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それは到底無理です。測定方法がわかってデータが出たところで、それをそのまま椅子づくりに活かすことはできません。
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データだけあっても無意味だと?
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その通りです。データは数字にしか過ぎず、それを椅子づくりに活かすには、基礎的なノウハウが必要です。
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基礎的なノウハウとは?
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データを判断・解析し、活用する能力ということです。わたしたちには多くの手間と時間を費やして獲得した貴重なノウハウがあります。わかりやすく言えば、データを使って答えを導き出すための計算式を持ち得ているということ。あてはめるべき計算式をもたない数字には、何の価値もありません。
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同じような構造の椅子もあるようですが?
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一見するとよく似ていますが、座り心地は全く異なります。理論だけでつくったものには限界があるということだと思います。測定してみればよくわかります。
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エルゴノミクスを取り入れたのは、木製家具メーカーとしては画期的?
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車のシートなどには積極的に取り入れられているようですが、木製家具としては、わたしが知る限りではカリモクが初めてだと思います。
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どうしてカリモクは科学に目を向け、活用することができたのでしょうか。
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簡単にいえば、企業としての柔軟性、そして総合力だと思います。快適な椅子を作るためであれば、どんなことにもチャンレジしよう、そしてそれぞれの持ち場で最大限の努力をしよう、という気概があるのがカリモクの強みだと思います。
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これから目指すべきところは?
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現状に満足せず、常に進化するということです。もしかすると、エルゴノミクスという観点からみてもまだまだ見落としている点があるかもしれません。あるいは、全く別のファクターを取り入れる必要性に気づくことがあるかもしれません。快適な椅子づくりへの挑戦は、まだまだ続きます。
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